尺骨神経障害(肘部管症候群・ギオン管症候群)

尺骨神経障害とは?

尺骨神経障害とは手の小指から薬指にかけて、痛み・しびれ・感覚障害などを引き起こす疾患です。「ファニーボーン」という言葉はご存知でしょうか?これは肘の内側をぶつけた時、肘から指先にかけてジ―ンとしびれる現象のことで、経験されたことがある人も多いはずです。実はこの現象は一時的に尺骨神経が刺激されることで起こるもので、これが永続的に刺激を受けてしまうと尺骨神経障害生じます。症状は段階によって様々で少し感覚が鈍い程度の方もいれば、重症化して手指に変形を引き起こすこともあるので軽視は禁物です。

【参考】

尺骨神経とは?

まずは尺骨という骨についてです。尺骨は前腕つまり肘から手首までの部分にある二本の骨のうち小指側にある骨の事を言います。この尺骨に沿って尺骨神経は走行しています。尺骨神経が感覚を伝えるのは小指と薬指(薬指は、小指側半分)です。ただし尺骨神経障害の感覚症状がある場合でも常にその領域に症状を出すとは限りません。尺骨神経症状といっても、個人によって症状が出る部分は違ってきます。

尺骨神経が支配している筋肉は小指側にある手首を手のひら側に曲げる筋、小指や薬指を曲げる筋や横に動かす筋(パーを作ったり指をそろえたりする動き)、小指を親指に合わせる(対立と呼ばれる動き)ように使う筋などです。ですから尺骨神経麻障害になると手首を手のひら側に曲げる力や小指側の握力が弱まり、小指や薬指を横に動かすことが難しくなり、対立もしにくくなります。

手首を手背側に曲げる力や小指や薬指を伸ばす力はあまり弱くなりませんが、小指と薬指の先のほうの二つの関節(第一関節と第二関節)が伸びにくくなり逆に根元の関節(中手指節間関節又は第三関節とも呼ぶ)が反り返っていわゆる小指側の鷲手という手の変形がおこります。

尺骨神経障害の種類

尺骨神経障害にはギオン管症候群と肘部管症候群という2つの種類あります。両者の違いとしては、手の小指と薬指しびれるという点では共通していますが、しびれを感じる範囲に違いがあります。肘部管症候群は小指の指先から手首にかけての広範囲がしびれますが、ギオン官症候群は小指の指先の周辺だけがしびれ、手首の周辺に及ぶことはありません。指先のしびれでも違いがあり、肘部管症候群では小指全体がしびれますが、ギオン管症候群では、小指の手のひら側はしびれますが、手の甲側には感覚的な問題はおこりません。

よって、小指全体に感覚異常があったり、小指の先端から手首にかけて自覚症状がある場合は肘部管症候群の可能性が高く、小指の手のひら側部分だけに感覚異常があったり、小指の周辺だけに自覚症状がある場合はギヨン官症候群の可能性が高いです。

尺骨神経障害といっても、2種類ありますので、しっかりとした鑑別が重要になってきます。

尺骨神経障害の原因

一般的に言われている原因になります。

  • ガングリオンのによる圧迫
  • 骨折、脱臼による後遺症
  • 開放創、挫傷による影響
  • 関節リウマチ

当院の考える尺骨神経障害

尺骨神経障害の原因は一般的には上記のように言われておりますが、当院ではそれ以外も考えております。もし上記のような原因のみであれば、我々、手技療法家では、やれることは少ないでしょう。ですが、我々の治療で改善されていく方たちも多くいらしており、上記の原因だけではないと考えております。

  • お仕事や家事の影響による前腕、手指の過緊張
  • 手首、肘周りの骨折後のリハビリ不足
  • 姿勢不良による呼吸量の低下
  • 長時間の自転車走行によるもの

【参考】姿勢を正すメリットとは?

尺骨神経の症状

ギオン管症候群の場合

  • ギオン管に強い圧痛がある
  • 薬指と小指側(手のひら側のみ)に痛みやしびれを生じる
  • ギオン管部を叩くと、指先にしびれを生じる
  • 重症だと、小指側の筋肉が萎縮している

肘部管症候群の場合

  • 肘の内側を叩くと、しびれが手先まで生じる
  • 薬指と小指(手のひら側、手の甲側、両方ともに)に痛みやしびれが生じている
  • 肘周囲の筋肉のこわばりを感じる
  • 重症だと、手のひらや小指側の筋肉が萎縮している

ギオン管症候群と肘部管症候群とでは、症状も似ている部分も多くありますが、細かく見ていくと違う部分がありますし、治療の仕方も変わってきますので、鑑別して治療していくことが大切です。

 

 

尺骨神経麻痺では、尺骨神経障害よりも強く症状が生じてきます。特に注意が必要なのが、かぎ(鉤)爪変形(鷲手変形)です。尺骨神経麻痺の影響で手内筋が萎縮し、特に環指・小指の付け根の関節(MP関節 中手指骨関節)が過伸展し(反り返っている状態)、第1・2関節が屈曲した形になります。

尺骨神経障害の診断

医療機関では、主にレントゲン、MRIをとり、医師による徒手検査(下記の検査法を参考にして下さい)も行われます。また、尺骨神経の伝達速度の測定や運動障害があれば針筋電図を用いる事もあります。レントゲンでは、特徴的な所見がみられることはないので、MRI,神経伝達速度で確定診断されることが多いです。

【参考】整骨院と整形外科の違い

尺骨神経障害の検査法

・フローマン徴候
紙などを親指と人さし指で挟むと親指を内転(人差し指がわにくっつける)する力が弱い為、親指の第一関節が曲がってしまう現象です。

・チネルサイン
肘部管症候群だと、肘の内側部分を叩くと肘から先の小指側に電気が走るような痺れが出現します。ギオン管症候群の場合だと、ギオン管部分を叩くと指先の小指側に電気が走るような痺れが出現します。

一般的な治療法(医療機関での治療)

  • 保存療法

・投薬療法

ビタミンB12の投与が基本的には多いです。ビタミンB12は末梢神経の修復に関わりがありますので、この薬で痛みやしびれの軽減を期待しますが、なかなか症状が進行している状況ですと期待は難しいことが多いです。

【参考】リリカの副作用

【参考】ロキソニンの副作用

・注射療法

尺骨神経障害では、あまり注射を使用することはないですが、症状が長引いている場合だとステロイド注射を行う場合もあるようです。

【参考】ブロック注射の効果とは?

  • 手術療法

外傷や腫瘍などで発症しているものであれば手術が行われます。。発症から早期のものであれば神経縫合、神経移植、神経剥離、神経移行など神経に対する手術が行われます。

当院での治療

特殊治療器/立体動態波/3D微弱電流/超音波/ハイボルテージ

急性期の炎症がおきている状態でも、使用できる治療器もございますので、患者さんの状態にあわせて、治療器を選択できるのは当院の強みです。日本のオリンピック選手団も使用している立体動態波・3D微弱電流・超音波・ハイボルテージを使用していくことで、手技療法に加えて、より患者さんに満足していただける効果を発揮できます。

また、関東に1台しかない特殊治療器AAPは、細胞レベルでアプローチできますし、圧痛を除いていくには、とても効果的です。

【参考】特殊治療器AAPとは?

❷筋膜リリース

筋膜リリース

レントゲンに異常がないと言われた場合、関節や筋肉、筋膜、皮膚など軟部組織に原因があることがほとんどです。

痛みを感じる受容器=ポリモ―ダブル受容器が存在するのは、真皮(皮膚)筋膜、関節包です。この中の筋膜が痛みを感じている事がとても多いです。何故かというと、筋膜が癒着することで(同じ姿勢や同じ動作が続くことで)痛みの物質、疲労物質が代謝されにくい状況になるからです。この癒着をとることで症状が軽快することが期待できます。

【参考】筋膜リリースとは?

❸トリガーポイント

筋肉に繰り返し負荷を加えたり酷使をすることで、局所的な血行不良とそれに伴う酸素欠乏を引き起こします。すると部分的に圧への感度が高い過刺激性のポイントが形成されこれをトリガーポイントと呼びます。トリガーポイントにより、下肢のしびれを出しているのは、ここ最近では有名になってきていますが、手のしびれでもトリガーポイントが影響していることもあります。

また、トリガーポイントの特徴としては、トリガーポイント自体と離れた場所に痛みを生じることがあるため、他の疾患と誤認されてしまったり見落とされてしまうケースも多いため、注意が必要です。

【参考】当院の治療方針

 

手のしびれ、足のしびれなどでお困りの方は【横浜駅徒歩12分なる.整骨院】にご相談ください。