テニスをしていないのにテニス肘!?
※あくまで個人の感想であり、皆様に同じ効果が出るという事ではございません
以前にもお書きしましたが、今回もいわゆるテニス肘による痛みでご来院された方のお話です。今回の症例は、テニスをしている方ではなくごく普通に日常生活を送られていた方でした・・・
テニスをしていなくても日常で必ず使ってしまっている
肘の周りの筋肉を見てみると、思った以上に筋肉の数があるのに驚かされます。またそれぞれの筋肉は一緒の動きをするものや全く違った動きをするものなど様々で、痛みの原因を特定するのは筋肉を触っているだけでは困難です・・・ましてや、日常的にほぼ毎日使い続けているわけですから筋肉のハリなんかも当然あります・・・
外側上顆に付着する筋肉
①総指伸筋 ②肘筋 ③小指伸筋 ④回外筋 ⑤尺側手根伸筋 ⑥長橈側手根伸筋 ⑦短橈側手根伸筋 ⑧尺側手根屈筋:この筋肉は、同じ外側に付着しますが治療家にも意外と忘れられがちな重要な筋肉です。※腕橈骨筋
外側に付着する筋肉はこれだけ存在します。しかし、外側に付着している筋肉だけがテニス肘の原因となっているわけでもありません。前腕側の腕橈骨筋をはじめ上腕側:上腕二頭筋・上腕三頭筋、上腕筋。また肩甲骨周囲の筋肉やアライメントがテニス肘に原因となっているケースも少なくありません。多くが必ず関係していると言っても過言ではありません。
ではどうするのか・・・
当院が口酸っぱく言っているようにやはり問診と検査に尽きると思います。どうすると痛いのか、どう動かすと痛みが誘発されるのか?どの動きが出来て、どの動きが出来ないのか?
日常生活で出来る事と出来ない事。もちろん患部だけにフォーカスせず他の体の部位までチェックします。そうすることで色々と治療法が見えてくるわけです。
痛みの原因は患部だけにあらず!
もちろん患部の治療もしっかりとしていきますが患部以外の場所も肘を使うにあたって大事だと考えています。その人によって使う筋肉というのは偏ってきますのでそこをしっかりと診てあげると肘の痛みは早く消えていくものだとも考えています。もちろん痛みが出始めて1年も2年もほったらかしていたら治りは悪くなります。ただ今回の様に痛みが出て肘の治療を開始してはいるけど「なかなか改善していかないな」なんて思っている方はもしかしたら肘だけの問題ではないかもしれません。一度セカンドオピニオンを視野に入れるのも手ですね。
今回のEサンさんの場合は早めに治療を始められたのでしっかりと治ってくれましたが、先述したように放っておくと年単位で痛みが続くなんてことも考えられますのでたかが肘の痛みとタカをくくらない様に注意しましょうね。
テニス肘/ゴルフ肘/外側上顆炎の改善に必要な事
① 痛みの出ている部位をしっかり確認する事
肘周りの筋肉といっても各指を動かすために複数付着しています。上記の錦織選手の写真、上記の画像をみてもおわかりかと思いますが、肘にかなりのストレスが掛かっていることが確認できますよね。
② 痛みの出ている部位によって治療方法を変えています(当然の事)
テニス肘/ゴルフ肘と言っても痛みの出現している部位がやはり異なります。大概多いのは、中指を動かす筋肉ですが、人差し指、薬指なかには親指、小指を動かす筋肉まで傷めている方もいらっしゃいます。外側上顆/いわゆる肘の外側の骨(出っ張った部分)が痛い方も多いですね。
ただ、やみくもに上腕:前腕のマッサージとビリビリトスポンジのついた電気療法やマイクロ波などで温める治療では、いつまで経っても改善が見られないケースが多いです。
大事なことは徒手検査による受傷部位の特定とどこを治療するかの判断する知識と技術。
そして、患部に治療効果の高い治療機器を選択して使用できるかどうかです。本来、上記は当然の事なのですが保険診療に頼っている整骨院/接骨院では、なかなか行っていないのがまだまだ現状です・・・
③ 未分化の組織(外側上顆症)
肘だけでなく関節周りの痛みは、未分化の組織が発生してしまう。これは欧米で発表された新しい知識で、外側上顆症ともいわれています。この未分化の組織が関節の曲げ伸ばしの際に挟まってしまい痛みを生じたり、神経に悪さをしてしまい痛みを生じると言われています。肘の痛みの原因として考えられるのは「未分化」の組織です。人間にはもともと自己治癒能力が備わっています。たとえば膝をすりむいてもしばらくするとかさぶたが出来て傷がふさがりますよね?それと同じようなことが外側上顆炎でも起こりうることがあります。
この未分化の組織が形成されている場合には、その組織を一度壊さなければいけません。つまりただ揉みほぐすだけでは症状の改善は難しいということです。当院では治療器や筋膜リリース、徒手による強刺激など状態に合わせた方法で未分化の組織を一度壊していきます(イメージ)。治療直後は少し痛みを伴うことがありますが、2~3日後にかなり痛みが抜けるケースが多いです。
④ 治療を一日も早く開始する事
これは、どんな症状にも言える事です。そのうち治るだろうとつい思ってしまいますが、肘に違和感を覚えたらすぐにご相談ください。最善は、違和感を覚える前にメンテナンスをしておくことです
⑤ 諦めない事!
これもどんな症状にもどんな分野にも言える事です。『諦めたら終わり』それはそうですよね。本人が諦めてしまっては元も子もありません。論外ですが、治療している先生にもはじめから本気で治そうとしている先生も多くはないかもしれません。患者さんが諦める前に先生が諦めているケースもあります・・・(もっと論外ですね)
テニス肘・ゴルフ肘でお困りの方は、横浜駅徒歩12分【なる.整骨院】が皆様の早期スポーツ復帰のお手伝いをさせていただきます。