意外と理解されていない坐骨神経痛(Sciatica)
今回は、皆さんも良く耳にしていると思います、坐骨神経痛についてご説明していきたいと思います。まず、坐骨神経痛とは、腰から足にかけて痛みや痺れが出ている際に診断されやすい大きく分類した総称であり原因ではありません。その原因が何かがとてもとても重要なのです。そして、ここ最近では、新型コロナウィルスによる在宅勤務による坐骨神経痛がとても増えてきております。
このページで理解してほしい事
- レントゲンだけでは、坐骨神経痛の原因はわかりません
- 坐骨神経痛は原因ではなく症状名です
- 痛みとMRI画像は必ずしも一致しない事
- 手技療法・保存療法でヘルニアを治しているわけではない事
主に上記4つだけでも理解していただければ幸いです。我々手技療法では直接ヘルニアを引っ込めたり、小さくしたりしているわけではありません。痛みの原因は別にあるから症状が改善しているのです。
坐骨神経痛の症例
【症例⑤】ぎっくり腰からのヘルニアと診断された歩行困難な坐骨神経痛
症例一覧
※あくまで個人の感想であり、皆様に同じ効果が出るという事ではございません。
坐骨神経痛と診断される主な原因(一般的な要因)
1 ヘルニア:椎間板内の髄核が外に飛び出し神経を圧迫するといわれています
こちらに詳しく解説していますので是非ご一読ください。まず、レントゲンでヘルニアの判断は出来ません。レントゲンには、骨は映りますが椎間板ヘルニアは映りません。椎間板ヘルニアの場合、保存療法で改善が望めるケースが多いので手術を決断する前に今一度、保存療法をご検討ください。手技療法で治すのは、飛び出したヘルニアではありません。ヘルニアが原因で現れていると言われている症状を改善していきます。という事は、飛びだしているヘルニアが痛みの原因ではなかったという事なんです。ここを今一つご理解していただけると症状の改善もスムーズになりやすいです。
2 脊柱管狭窄症
人間の背骨には、脳から続く神経である脊髄(お水)が通る管があります。この通り道を脊柱管と呼びます。脊柱管狭窄症とは、骨や靭帯の肥厚、椎間板の突出などで、脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫され、お尻の痛みや太もも・ふくらはぎ・足首・足の裏の痛みやしびれなどの症状を起こすと言われています。加齢により骨や靭帯などが変性して起こることが多く、50代以降の男女に多くみられます。長い時間歩くと症状がひどくなり、中には5分・10分しか歩けず、しばらく休むとまた歩けるようになる、「間欠跛行(かんけつはこう)」が代表的な症状です。脊柱管狭窄症は、ヘルニアと違い進行性の症状のため、脊柱管狭窄症が本当の原因の場合、手術(オペ)が必要になるケースも多いかもしれません。
3 腰椎すべり症・腰椎分離すべり症
腰椎すべり症は、5つに縦に並んでいる腰椎が前方に飛び出すことで神経を圧迫すると考えられています。すべり症が本当の原因で坐骨神経痛を引き起こしているケースは少ないと考えます。
※このページで使用している本当の原因とは、病院で診断されているけれどもその症状の原因ではない可能性が高いという意味です。
4 梨状筋症候群:お尻の深いところにある梨状筋が坐骨神経を圧迫するといわれています
お尻の筋肉が硬くなり(緊張)、坐骨神経を圧迫しているケースです。人間のお尻の筋肉は、実はとてもとても酷使されています。立っているときにお尻を触ってみて下さい。とても硬くなっているのがお分かりかとおもいます。座っているときは、お尻は潰されいつも圧迫していますね。デスクワークを1日8時間・10時間もされていれば、どれだけお尻に負担が掛かっているでしょうか?また、男性であれば小便をするさいも非常に硬くなっているのが分かります。お尻の筋肉は、身体を支え、骨盤(内臓)を支え、人体の要といっても良いかもしれないお部位です。
5 類似疾患:帯状疱疹による神経痛
近年、コロナウィルスによる影響か?ストレスを抱えている方が増えてるのでしょうか。坐骨神経痛症状を呈する方の原因が帯状疱疹である事が増えております。神経痛を感じた数日後に水泡が形成される場合は、すぐに内科および皮膚科に行きましょう。痛みの感じ方としては、痛痒いやピリピリする場合は、帯状疱疹の可能性もあります。また、女性に多いように感じますね。
症状
簡単に説明すると腰から足までにかけての痛みの神経の親玉は、坐骨神経です。このラインに痛みや痺れ・違和感がある時に坐骨神経痛ですねと診断をされます。よく出現する部位は、お尻(臀部)太ももの外側・ふくらはぎの外側・スネ(前脛骨筋)です。同じ坐骨神経でも太ももの内側やふくらはぎの内側には出現しないケースがほとんどです。この辺りには、何か本質的な原因が隠れていると考えています。
上記の図のライン(腰・お尻・太もも・ふくらはぎ・足首・足)に痛みや痺れが出現します。いわゆる坐骨神経痛と言われる症状の原因の一つです。坐骨神経痛とは、症状名であって原因ではありません。上記ラインに痛みや痺れではなく、麻痺や場合、膀胱障害(頻尿・多尿その他)を起こしている場合は、早急に医療機関へご相談下さい。
『なる.整骨院』で考える坐骨神経痛(原因は別であるかもしれないが)症状をレベルで評価
※ヘルニアページのレベルと同じです。
トップレベル 筋力低下・感覚異常・拍動減弱・膀胱直腸障害がある
LV5 歩けないほど、もしくは数歩しか歩けない程、お尻からふくらはぎにかけての部分に痛む箇所がある。また、夜間も眠れない程痛む。生活にも支障をきたします。(痺れも含む)
LV4 歩けないほどではないが、お尻からふくらはぎにかけてに痛む箇所があり、痛む時間帯も多い。(痺れも含む)生活・お仕事に支障をきたします。
LV3 長時間、座っている、立っているとお尻からふくらはぎにかけてに痛む箇所がある。(痺れも含む)
LV2 ランダム(いつ出るのかがわからない)にお尻からふくらはぎにかけて痛むことがある。(痺れも含む)
LV1 時々、お尻からふくらはぎにかけて違和感が出る。(痺れも含む)
※上記は、ヘルニアが必ず原因であるという意味ではありません。LV5の方は、急性期症状(痛みが出たばかり)ですと本当に痛いし辛いです。しかし、本当に手術が必要かというと別問題かもしれません。
一般的な治療方法
まず、保存療法と手術療法に大きく分けられます。保存療法とは、手術をしないで生活習慣を改善したり、薬・リハビリを生活に取り入れて治す方法を言います。もしあなたのその坐骨神経痛の原因を調べていないもしくは、伝えられていない場合はしっかりとお伺いを立てたほうが良いかと思います。原因がわからないまま、下記の治療をしているケースも多いかもしれません。
【保存療法】
- 投薬療法:消炎鎮痛剤(ロキソニンやリリカカプセル)やシップを処方されることが多いですね。鎮痛剤も効果や副作用に違いがありますのでお医者さんによく伺ってください【参考】リリカカプセルの副作用
- リハビリ療法:牽引機(欧米では10年以上前から使用されていないそうです)。干渉波/低周波(ヘルニアと診断されるほどの症状に効果を期待するのは難しいかもしれません)マイクロ波(深部を温める機器/温めること自体は良い事ですが・・・)ウォーターベッド(全身の血流が良くなるのは良い事ですが・・・)コルセットを装着し、安静など。原因がわからず牽引をしているケースは多い様ですね。
- 神経ブロック注射:ブロック注射も実は、種類があります。下記の参考を読んでいただければわかるかと思いますが、一般的にその場で出来るブロック注射は、おそらく硬膜外ブロック注射です。その痛みの原因がヘルニアの場合は、神経根ブロック注射の方が効果が高いかもしれません。そのあたりも打つ前には、しっかり聞くようにすると良いかと思います【参考】ブロック注射って効果あるの!?
実際に診られる坐骨神経痛の原因
1 姿勢不良による筋性・関節性の要因
人間の身体は、ほとんど左右対称ではありません。出来る事ならば49:51位の比率にしたいところですが日常生活・仕事上の習慣などなかなかそうもいきません。日常生活により身体が受け続けている負担は、想像を絶するものであり、急に痛くなったという方が多いですが、急に症状が起きるわけではありません。日頃から身体のメンテナンスをおすすめいたします。姿勢が悪い状態での呼吸では、酸素を100CCしか取り入れていないと言われているのに対し、姿勢を正しくした状態では、300~400CCの酸素を取り込めると言われています。我々の身体に酸素は切っても切り離せません。身体に取り込む酸素が少ないと全身のどこかに異常をきたしてもおかしくありませんし、病気も患いやすいと言われています。まずは、姿勢を正しましょう。
【参考】姿勢を正す本当の理由
2 仙腸関節機能障害:骨盤にある関節の不具合により坐骨神経に悪さをします
いまや、腰痛や坐骨神経痛の診断・治療に欠かせない要因です。仙腸関節により坐骨神経痛を引き起こしているケースもとても多いです。軽度から中度の場合、仙腸関節の調整により症状がその場で改善する事も少なくありません。
3 トリガーポイント(筋肉の評価)
トリガーポイントとは、圧に対する感度が局所的に高い、過刺激性のポイントで、身体の他の部位に症状(通常は疼痛)を引き起こします。トリガーポイントは、筋肉、筋膜、骨膜、靭帯、皮膚などの身体の軟部組織に存在することが多いと言われています。一般的には、潜在性と活動性のトリガーポイントに分類され、潜在性は、圧迫されない限り局所的な痛みや関連痛を引き起こさないのに対し、活動性トリガーポイントは圧迫されなくても局所的な痛みや関連痛を引き起こします。どこも痛くなくても潜在性トリガーポイントがある場合が殆どですので活動性に変わらない様に日常的に身体のケアをしていく事をお勧めします。
坐骨神経痛の場合は、中殿筋・小殿筋・大殿筋・梨状筋にトリガーポイントが形成されているケースがとても多いです。この評価は、欠かせません。
4 交感神経の評価と施術
長く患てっいる、痛みや痺れに悩まされている事によってもストレスとなり自律神経が乱れてしまいます。自律神経の調整をするだけでも身体の反応は変化してきます。
主にこの4点をしっかりと施術して改善が見られない際は、医療機関や整形外科での精密検査をおすすめします。「なる.鍼灸整骨院」で尊敬する方々もまずは、この4つが重要かつ筋肉による原因が90%だと言っています。筋肉といってもただマッサージすれば良いという事ではありません。治療とマッサージでは、中身が全く違うので皆さんも勘違いしないでくださいね。
5 その他 血流障害など内科的要因
なかなか症状が改善しない坐骨神経痛の場合、血管の問題も大いにあると考えますが、日本ではなかなかそこまで取り扱ってくれてないのが現状です。アメリカでは、ふくらはぎに神経痛がある場合、まずは循環器内科で血管的な要因も考えるそうです。また、まれなケースでは前立腺炎の筋の影響で、座位になり骨盤が圧迫されたような状態で内腿の痺れが出現するという事もあります。
当院の治療方法
① カイロとは?
カイロプラクティック(Chiropractic)の「Chiro」は手を、「Practic」は技を意味するギリシャ語を発祥とするように、主に手を用い、主に頸椎~背骨~仙腸関節を矯正することにより身体の不調を改善する手技療法です。
※本来、人間には必ず自己治癒能力が備わっています。
現代の食生活、日常の姿勢から背骨の歪み、神経の不活性化がおき、自己治癒能力が低下しがちです。それを高めてくれるのが、カイロプラクティックによる関節への治療です。
② 仙腸関節調整法(AKA)とは?
かつては整形外科の医師が考えた治療方法で、関節の動きを改善する治療方法で、主に仙腸関節をはじめその他各関節に施術できる非常に弱い力で関節を治療します。
当院ではカイロプラクティックと独自の仙腸関節(※)調整の良いところを取り入れて患者さんに合った治療方法を選択していきます。
※仙腸関節は、不動の関節と言われておりましたが、実は2~3mm程動く関節であり、非常に繊細かつ身体への影響力は、非常に大きい身体の土台を支えている重要な関節です。 左右の関節の機能異常、ロッキングなどにより様々な不調をきたし、この関節を治療することで関所が開くように血液の流れにも大きな影響を及ぼします。腰痛、神経痛だけでなく、手足のむくみやお腹の張り、首の痛み動きなどにも効果があり、まだまだ解明されていないこともたくさんありますが、魅惑の関節といえるでしょう。
様々な痛みを長く患い、改善されない方は、AKA骨盤調整・カイロを受けてみると何か改善が見られるかもしれません。
③ KEN YAMAMOTO テクニックとは?
KEN YAMAMOTO テクニックは、医学の先進国である欧米では、医師たちにも認められている「解剖学・運動学的に根拠のある」治療法です。「肩がこるから肩を治療・揉むのではなく」解剖学的にその原因となる箇所を治療していきます。今後日本でも医師たちに認められる日もそう遠くない。そう思っています
④ 筋膜リリース
【参考】筋膜リリースとは?こちらをご覧ください。
筋膜リリースの効果
- 癒着部分を剥がす(流す)
- 血流・リンパの循環改善
- 柔軟性・可動域の増加
- ケガからの早期復帰
- パフォーマンスの向上
⑤ トリガーポイント
上記に記載してありますように痛みにトリガーポイントの評価と施術は欠かせません。
よくあるお話
坐骨神経痛は、腰があまり痛くないことが多いのもポイントですね。問診中によくこのような会話があります
レントゲン上では問題ないのに腰からと言われることが非常に多いですね。骨の状態を診るDrが、骨には問題がないとおっしゃり、でも腰から来ているという事はあとは筋肉や関節、軟部組織の問題という事になります。
また、このような会話も
なんていう会話もよくあります。
坐骨神経痛の原因を知ることが一番大事ですが、ヘルニアの場合、健常者の方の方がヘルニアが多いというデータが実際にあります。
また、手術は成功したのに、症状は変わらなかったという方も多くいらっしゃいます。一概に検査を受けてヘルニアだと言われてもすぐに手術には踏み切らず、手術する前に必ず一度は、我々民間療法に委ねてみてください。治療をさせて頂いている中で、本当に腰に原因があり症状が出ている方は、あまり多くない様に感じます。
「坐骨神経痛の原因が、ヘルニア以外の場合がある」を裏付ける私の実際のMRI画像
H29.9月、自分の腰の状態を一度くらいみてみようと、MRIを撮影していただきました。
すると・・・
ヘルニアと脊柱管狭窄症の診断・・・
なにも症状がない私が、まさか自分がこのような診断を受けるとは夢にも思いませんでした。しかしこれまで説明してきたことに信頼性が増し患者さんを励ませる材料となりました。
やはり坐骨神経痛の原因はヘルニア以外?
今回の私の様に本当の原因は別のところに隠れているかもしれません。手術して後悔するよりは、まずは保存療法で痛みを軽減していき、それでも改善しない時に手術を考えてみるのは如何ですか??
横浜駅周辺・西区・神奈川区・保土ヶ谷区で坐骨神経痛・ヘルニアと診断され、整体をお探しの方は、横浜駅徒歩12分【なる.整骨院】へご相談ください。