ギックリ腰が多いのはいつ!?

9月に入り夏の暑さもひと段落し朝晩も大分涼しくなってきました。この時期に注意したいのが『ギックリ腰』です。当院でも9月に入ってからギックリ腰など急性期の腰痛の方が非常に増えており皆さん大変お辛そうな表情で来院されているのが印象的です。

ギックリ腰は放っておいても2週間程度で痛みは消失すると言われています。とはいえお仕事をされていてお休みが取れなかったり家事や週末にイベントがあったりと実際には2週間も待ってられないという方がほとんどではないでしょうか?

やはりギックリ腰をせずに済むのであればそれにこしたことはないですよね。そこでこの時期のギックリ腰の原因と対策について説明していきたいと思います。

まずギックリ腰とは?

ギックリ腰とは不自然な姿勢や急な動作によって生じる腰痛のことで正式には『急性腰痛症』と言います。原因となる動作は非常に様々でかがんだ際や重たいもの持ち上げたときひどい場合くしゃみで痛めたという例もあります…発症するとしばらく動くことが出来ず歩くこともままならないこともままなりません。

前述のとおり治癒までには約2週間ほどかかると言われています

ぎっくり腰の3つのパターン

ギックリ腰の元となる動作は様々ですが痛めてしまう原因としては大きく3パターン挙げられます

① 筋疲労によるもの

これは筋肉の慢性的疲労によるものです。仕事や家事など日常生活の中で筋疲労が蓄積していき、とある動作でその許容量を超えてしまうとギックリ腰として発症してしまいます。筋疲労を回復するために必要な睡眠・栄養・適度な運動が不足していることも重要な要因となります。

② 骨格の歪みによるもの

骨格の歪みといっても骨が勝手に動くわけではありません。座りっぱなしや立ちっぱなしなど長時間の同じ姿勢をとっていると同じ筋肉をずっと続けることとなり逆に使っていない筋肉は萎縮や筋力低下を引き起こします。その結果、骨は緊張した筋肉に引っ張られて歪みを形成します。骨盤は大きな筋肉が多く付着するので歪みがみられるケースが多いです。また片方に体重をかけたりもしくは脚を組んだりすることが多いと左右での筋バランスが崩れ骨格の左右差を生じてしまいます。バランスが崩れると身体はバランスをとろうとするため周囲への負担も増えていき最終的には腰痛へと繋がってしまうのです。

③ 急激な負荷によるもの

これはスポーツをされている方や比較的若い方に多くみられます。勢いよく立ち上がったり振り返ったりしたときや重たいものを瞬間的に支えてしまったりと急激な動き出し・動作の切り替え時に起こります。これは筋肉は瞬間的に負荷が掛かると反射的に筋肉が過緊張するという性質によるものです。

①・②がバケツに徐々に水が溜まって起こるものだとすると③は一回に大量の水がバケツに流れ込んでしまうイメージですね

この時期に多い理由

結論から言いますと『気温差』です。血行不良という観点からみるとギックリ腰は冬に多いようなイメージがあるかと思いますが実際にみられるのは春先や秋など季節の変わり目であることの方が多いです。ご存知の通り身体には体温調節機能があり暑い環境に慣れることを『暑熱順化』寒い環境に慣れることを『寒冷順化』と言います。

冬はこの寒冷順化をしているため身体の中で寒さによる変化は起こりにくくなります。しかし秋口など季節の変わり目では朝晩と日中の気温差が激しかったりと気温もかなり変化するためそれに伴い身体の中でも繰り返し血流が変化します。気温の変化に合わせて身体の状態も目まぐるしく変わらざるを得ません。疲労の蓄積に加えて血流が不安定になると筋肉などの軟部組織はかたくなり柔軟性が失われてしまいます。

徐々に暖かくなる春先よりも徐々に寒くなる秋口の方が血行不良を招きやすくより注意が必要だと言えるでしょう。

この時期のギックリ腰対策

この時期のギックリ腰対策としてはしっかりと疲労回復が出来るように生活習慣や体内環境を整えることが必要です。

① シャワーだけではなく入浴をする

② 過食は避けバランスのよい食事をする

③ しっかりと睡眠時間を確保する

これに加えて適切な運動習慣もあるとより予防になります。

運動中の急な動作には気を付けてください

姿勢を正したりストレッチやケアをするのは通年で行って下さいね。

ギックリ腰になってしまったら

もしギックリ腰になってしまったら痛みの程度にもよりますが出来るだけ安静は控え普段通りの生活を心掛けてください。何も出来ずひたすら横になっていると筋力低下や筋のかたさを生む恐れがあります。また1~2日して痛みのピークが去ったら冷やすのではなく積極的に温めて下さい。

あとはなるべく早い段階で治療を開始して下さい。早い段階から治療を開始した方が早期改善がみられることが多いです。

ギックリ腰の兆候や少しでも怪しいと思われたらすぐにご相談下さい!!

【参考】ぎっくり腰の症状・原因・治療・解説

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