甘く見てはいけない打撲
打撲とは?
打撲とは外からの外力により、筋肉・筋膜・皮膚・皮下組織を痛める事を言います。打撲も程度が強い場合は、挫滅状態となり組織を大きく傷つけているケースもありますので、あまり楽観視しない方がよいと考えます。更に強い刺激の場合、骨折も疑わなければならないケースもございますのでご注意ください。
打撲の特徴
まず初めに特徴として、意外と軽視されがちな症状です。打撲だからと高をくくり処置が遅れてしまう事で長引いてしまうケースがほとんどです。個人差はありますが、今回の衝撃はひどいなと感じた場合や数日しても痛みが全く改善してこないケースは早めに医療機関や整骨院にご相談下さい。
症状
外部からの外力(ボールがあたる・蹴られる・肘があたる)により患部に炎症および内出血を生じます。また、熱感や浮腫み・腫れを伴う事もあります。内出血を生じるほどの外力の場合、患部よりも下位に内出血が起こる事がよくありますので、ぶつけていない部位に内出血がある場合は、重力によって出血が下位に落ちている事によるものですので慌てる事はありません。ふくらはぎをぶつけた際などは、足の指先にまで紫色に内出血するケースがあります。(足首の捻挫も同様です)
診断と検査
あまりにも強い外力を受けた場合、痛みが強い場合は、骨折も疑わなければいけないケースもございますので、ご心配の際は、医療機関・整形外科でレントゲン検査を受けてください。骨に異常がない場合は、皮膚・皮下組織・筋肉・筋膜その他軟部組織に問題がありますので、早めに治療をしていく事をお勧めいたします。
一般的な治療
医療機関では、骨に問題がない場合はシップと鎮痛剤の処方による治療が殆どかと思います。電気治療などリハビリをする機会は、打撲では少ないと思いますが甘く見てはいけません。
RICE処置
昔から言われているケガの処置の大原則です。R=Rest(安静)I=Ice(アイシング)C=Compression(圧迫)E=Elebation(挙上)。今でも基本的な大事な部分ではありますが、近年では早期改善のための治療法は変化してきています。過度のアイシング・固定・圧迫は、改善を遅らせる要因となってしまいますので、常に新しい事を学んでいる治療院での治療をお勧めします。挙上に関しては、ケガをした後に行う事はあまり悪い要素はないと考えます。※挙上とは、患部を心臓より高い位置に置くことです。
当院の治療
程度の悪い打撲では、いち早く血腫を残さない様に代謝させる事が重要となります。また、浮腫みも早く取り除かなければいけません。当院では、1日も早く痛み無く歩ける・走れる・運動復帰出来るようにお手伝いさせていただきます。
敵の膝がふくらはぎに入った・・・
先日ご来院された患者さんのお話しですが、サッカー中に敵の膝が自分のふくらはぎに思い切り入ってしまったそうです。2日後に全く痛みが引かず、足の指まで紫色に内出血してきたので、整形外科に行かれたところ『捻挫ですかね?』と診断され足首に巻くサポーターを装着してこられました。当院にいらしたのは、受傷5日後、痛めた直後から5日経過しても痛みが全く変わらない状態でした。拝見すると足がパンパンに腫れあがっていました。ひどい浮腫みです。骨には異状がないとの事ですから、打撲の治療をさせていただきました。足の指周辺の内出血は、ケガの重さを現しています。それだけひどく皮膚・皮下組織・筋膜・筋肉を傷めているという事です。初回の治療の際は、ふくらはぎに触れるだけで物凄く痛がっていました。まず、この浮腫み・腫れを取らなければ、早期改善しないどころか内出血が代謝されないで残ってしまうと運動復帰までにとても長い時間を要してしまうケースです。5日後の2回目の治療時には、全く変わらなかった痛みが改善してきており、歩行も痛み無く出来る状態でした。しかし、ここから運動できるまでしっかりと治療しなければ安心することはできません。
固定はしない方が良い?
程度にもよりますが、今回の様に足首の固定はまずあり得ません。ケガの基本原則は、RICEといって上記にも記載しておりますが、過度な固定と圧迫。やむを得ない時(試合にどうしても出る)を除いては、あまりお勧めできません。骨折や脱臼をしてしまった際の固定はやむを得ません。
アイシングはするの?
アイシングについても同様です。受傷直後10分~15分程度のアイシングは良いと考えます。過度のアイシングが良い状態の組織まで冷やしてしまい、改善を遅らせてしまう要因であることは今や常識となりつつあります。アイシングは、患部の麻痺です。まやかしです。炎症を抑える作用はあるかと思うので、受傷直後をお勧めしますがそれ以降の過度なアイシングは、お勧めしないのはこの為です。
打撲が改善しない理由
上記の説明の通り、過度な固定やアイシングをしていませんでしたか?もしくは放置していませんでしたか?2~3か月経過してもすっきりしない。1か月経過してもまだかなりの痛みが残っている場合は、患部に代謝されずに組織が固まっている状態が推測されます。早めの受診だけでなく、治療を開始する事をお勧めします。