肘の外側・テニス肘の治療
※あくまで個人の感想であり、皆様に同じ効果が出るという事ではございません。
整形外科でテニス肘と診断
今回肘の痛みでお困りだったHNさんは、当院にご来院される前にすでに2件の整形外科で診断と治療を受けていました。そこではレントゲン上、骨に問題はない為「外側上顆炎(テニス肘)」という診断を受け、痛み止め・湿布・ストレッチといった治療を行っていたそうです。しかしお仕事において工具などを使い作業することもあり、思うような改善が得られなかったという事でした。
外側上顆炎(テニス肘)とは前腕伸筋群と呼ばれる筋肉を酷使することで、これらの付着部である肘の外側上顆という部分に炎症を起こしている状態です。この前腕伸筋群はテニスのバックハンドの際に強く働く為、テニスプレイヤーに多く発症します。その為、総称としてテニス肘と呼ばれることも多いです。しかし近年はPCやスマホ・タブレットの普及もあり、テニスをしていない方でもテニス肘と診断を受けることが増えています。
【参考】デスクワークでテニス肘!?
原因は肘だけではない
前述の通り一般的にはテニス肘の原因は前腕伸筋群とされていますが、決して原因がそれだけとは限りません。またその原因に対してどうアプローチしていくかも重要となります。
実際にHNさんのお身体を診ていくと、まず患側の肩が異常に硬いことに違和感を感じました。そのことについて聞いてみると、以前に五十肩を患っていたそうでその影響かもしれないということでした。実はこの肩の動きは肘や手首にとって非常に重要となります。
例えば少し大きめの工具を使用してネジやボルトを回すとします。その際には手元だけではなく肩の動きも伴わなければ力が入りませんよね?もし肩が痛くて動かせないとなると、必然的に肘や手首への負担が大きくなることが想定できます。その証拠に肘の内側に走行している円回内筋という筋肉が緊張し、手首の背屈(手首を反らす動き)がとても硬くなっていました。
つまり今回のテニス肘の症状は、肩の可動域低下➡肘・手首への負担増加➡円回内筋の緊張➡手首の可動域低下➡前腕伸筋群の緊張助長といった流れによって起きたものだと考えられます。その為、前腕伸筋群をどうにかするだけでは根本的な解決にはならず、肩からの治療が必要でした。
今回は上記のように肘だけではなく肩から診ていく事によって、早期での改善が得ることができました。
セルフケアの徹底
テニス肘が慢性化しやすい理由として、やはり日常生活において安静が難しいという点にあります。治療を行った後、次回の来院までに肘を酷使してしまえばやはり中々改善はしないでしょう。「やってもらった後はいいんだけど…」となってしまうのは日常の負荷が治療効果を上回っているか、そもそもアプローチする部分・方法が間違っているかどちらかでしょう。
この問題を解決する為に当院ではテニス肘の治療において必ず生活指導・セルフケア指導を行っています。その方の症状や生活に合わせて行ってもらう為、一人一人セルフケアは異なります。
一般的に治りずらいとされているテニス肘をしっかりと改善していくには、患者様ご自身にもご協力いただくことが大前提となります。今回のHNさんが早期でテニス肘の改善が出来たのもご本人の努力があったからです。
【参考】その他テニス肘の症例はコチラ