首や肩・腕から手にかけて悩ます痛みと痺れの正体パート①

首の痛み、腕にかけての痛み、そして手にかけての痛みや痺れでお悩みの方は多いかと思います。そこで今回は、改めて頚椎症(頸椎症。読み方:けいついしょう)についてわかりやすくかつ皆様に有益な正しい情報をお伝えできればと思います。

頚椎症って?

まず、多くの方が診断される頚椎症についてですが、この頚椎症も3つに分類されます。

1.変形性頚椎症

首が痛い、肩がこる手少し痺れるなどの症状で病院に行くと、首(頚椎)のレントゲンを撮って、「骨と骨の間が狭くなっています。これは加齢です」と説明を受ける方は多いと思います。骨と骨の間(椎間)が狭くなったり、骨棘(棘)が出ている方は、とても多く一般的にはこのような説明と診断を受けます。このような状態を一般的には頚椎症といいます。また、最近では『ストレートネック』と言われる方も多いのではないでしょうか?
病院や整形外科での治療は鎮痛剤の内服や外用などの薬物療法と、牽引機、干渉波、SSPなどの物理療法や温熱療法が殆どです。

当院の考え

頚椎症と診断されて、来院される方はとても多いですが、椎間が狭い事が首や肩こりの原因になるとは考えていません。もし椎間が狭い事が原因だとするとお薬や物理療法で治りそうですか?もしその症状が改善したとしても椎間自体は絶対に変わる事はないと思います。だとすると何が原因か?それは軟部組織(筋肉・腱・靭帯)です。主に筋肉が原因と考えられます。

頭の重さによる首の負担

人間の頭は、体重の約10%・約5KGなど言われています。この頭を常に乗せているだけでなく、いつも下向きの状態でいる事で頭が下に落っこちない様に支えてくれています。この下を向いた状態では、おそらく首に掛かる負担は、5KGどころではありません。てこの原理で前に下に落ちていく度に負荷が増えていきます。首だけでなく背中・腰にまで影響を与えてしまいます。いつも言うようにここでも本当の意味での姿勢を重要性をご理解いただけると幸いです。下の図の頭蓋骨の模型をボーリング球だと思って下さい。この様な状態でいるだけで、腕はとても疲れてしまいずっとこの姿勢ではとてもいられません。あなたのデスクワーク中の姿勢、電車で下を向きスマホをしている姿勢はずっとこんな感じではないですか?首や肩に負担が掛かり疲労が溜まるのも少しはご理解していただけましたでしょうか?

首に掛かる負担

【参考】姿勢を良くする本当のメリット

ストレートネック

ストレートネックとは、頸椎の湾曲が乏しく、まっすぐに並んでいるイメージです。ストレートに並んでいることで首や肩への負荷が分散されづらい事により首や肩に疲労が蓄積され痛みが出ているのでは?と言われてしまいます。しかし、下【参考】をご覧いただきたいのですが、まずアメリカにはストレートネックという概念はないそうです。レントゲンで写真を撮るときの姿勢を覚えていますか?顎を突き出し、肩を丸くし『悪い姿勢の見本』のような肢位ですよね。

【参考】ストレートネックの真実!?

2.頚椎症神経根症

この頚椎症神経根症でお悩みの方が多いのではないでしょうか?頚椎症よりも症状が重く、変形性頚椎症に加えて、頚椎から腕や手につながる神経根が圧迫されるために、腕にしびれや痛みが出る症状を一般的に頚椎症性神経根症と言います。症状は、左右どちらか片側の腕から手にかけて、もしくは背中に現れ、40代から50代の方に多く現れると言われております。症状が重い方は、常時痛みや痺れに悩まされることもあり症状が落ち着くまでの期間にも個人差がありますが手術をすることは稀ですししたくないですね。また、似たような症状を起こす原因には、頸椎ヘルニアや胸郭出口症候群などもありますので、病院や整形外科でレントゲン撮影だけで頚椎症神経根症診断された方は、今一度精査が必要だと考えます。

【参考】胸郭出口症候群について解説

腕にかけての神経痛

上記の図の赤い点線のラインに痛みや痺れが出現することが多いです。痛みや痺れの出るラインによってもどこの神経に異常が出ているのか?とても重要となります。首や肩こりで悩んでいる方よりもこの神経痛で悩んでいる方が多いと思いますが、我々手技療法家は、首以外の原因を探していく事が重要です。

原因

1 胸郭出口症候群

上述でもありますが、胸郭出口症候群は良く疑われる症状の一つです。わかりやすき記載していますので。ご覧ください。この胸郭出口症候群も下記同様の評価と分類をしていきます。身体は本当に奥深いです。

2 トリガーポイント(筋肉の評価)

トリガーポイントとは、圧に対する感度が局所的に高い、過刺激性のポイントで、身体の他の部位に症状(通常は疼痛)を引き起こします。トリガーポイントは、筋肉、筋膜、骨膜、靭帯、皮膚などの身体の軟部組織に存在することが多いと言われています。一般的には、潜在性と活動性のトリガーポイントに分類され、潜在性は、圧迫されない限り局所的な痛みや関連痛を引き起こさないのに対し、活動性トリガーポイントは圧迫されなくても局所的な痛みや関連痛を引き起こします。どこも痛くなくても潜在性トリガーポイントがある場合が殆どですので活動性に変わらない様に日常的に身体のケアをしていく事をお勧めします。

【参考】犬にかまれているような腕の痛み

※あくまで個人の感想であり、皆様に同じ効果が出るという事ではございません。

トリガーポイントは施術するうえで欠かせない要因の一つです。腕から手までの痛みと言ってもどこにトリガーポイントがあるのかを知っているのと知らないのでは結果が大きく変わってきます。簡単にご説明すると筋肉に出来た硬結(コリ)がその硬結の出来た部位ではなく、その他の部位に関連痛といって、別の場所に痛みを及ばすことをトリガーポイントと言います。『引き金』なんて呼ばれます。よくあるケースだと、鎖骨の下に形成されたトリガーポイントは、肩や上腕周りに痛みや痺れを引きおこすことがあります。

鎖骨下筋トリガーポイント

×印にトリガーポイントが形成されることで赤塗りの範囲に痛みや痺れを引き起こします。×印を押圧することで赤い範囲に痛みが放散することで確認する事が出来ます。

3 関節の評価

頸椎、肩関節、胸椎、骨盤などの関節の評価も重要です。関節の動きの低下により周囲の筋肉の緊張⇒血行不良⇒神経に影響を及ぼしている可能性も必ず見る必要があります。

4 姿勢の評価

姿勢の評価が最も欠かせません。2・3番の筋肉と関節の異常は、姿勢の悪さから来ている事が多いからです。人間は、本来生まれ持ってはどこも痛くないのが当たり前。どこを触っても痛くないはずなんです。これが日々の生活や運動・姿勢の不良により至る所に痛みを生じてしまうと考えられます。順番から行くと姿勢を評価することから筋肉・関節の評価をしていくことになります。

主にこの4点でしょうか。MRIで首の神経が圧迫を受けていても、この4つの評価をし、施術をして改善が見込まれない場合は、本当の意味で神経根由来の痛みや痺れだと判断していきます。

【参考】

当院での腕や手の痛みや痺れの症例と口コミ

姿勢を正す本当のメリット!

3.頚椎症性脊髄症

肩こりや首の痛みに加えて、両手や両足にしびれが出る場合があります。さらに、箸が使いづらい、ボタンがかけにくい、字がうまく書けないなど手指の運動障害や、足元がふらつく、何かにつかまらないと歩けないなどの歩行障害がある場合は頚椎症性脊髄症」と言われます。頚椎のMRIでは脊髄の圧迫が見られます。この疾患は加齢とともに少しずつ進行する傾向があり、手指の運動障害や歩行障害が長く続く場合や、症状が進行する時は手術が勧められます。また転倒した時に急に悪化して手足が麻痺することがあるので注意が必要です。 手術方法は脊髄圧迫の状態によって選択されます。医療機関や整形外科に早めに相談しましょう。

日本整形外科学会より

上記の様に手足のしびれや動かしづらい、感覚がおかしい?両側性に出現する際や運動障害を感じた際は、まずは医療機関や病院に相談してください。

患者さんの声

※あくまで個人の感想であり、皆様に同じ効果が出るという事ではございません。

右腕から右手にかけての痛みと痺れ

右腕から右手にかけての痺れ

当院の治療法

上記の説明にもありますが、まずはしっかりと評価をすること。これはどの症状でも同じです。その原因を絞っていき、施術そしてまた評価を繰り返してきます。まずは、5回程度同じ施術をして、反応がない場合は、次に疑わしい原因に対して施術をしてきます。

評価

  1. 姿勢の評価と施術
  2. 筋肉・関節の評価と施術
  3. トリガーポイントの評価と施術
  4. 交感神経の評価と施術

主にこの4点をしっかりと施術して改善が見られない際は、医療機関や整形外科での精密検査をおすすめします。当院でも尊敬する方々もまずは、この4つが重要かつ筋肉による原因が90%だと言っています。筋肉といってもただマッサージすれば良いという事ではありません。治療とマッサージでは、中身が全く違うので皆さんも勘違いしないでくださいね。

治療法

  1.  KYテクニックにより姿勢の調整
  2.  筋膜リリース
  3.  関節の矯正・調整
  4.  治療器(超音波・立体動態波・高周波)による筋肉の弛緩および神経の活性化
  5.  頭蓋骨の調整
  6.  針治療

治療方法は様々ですが、しっかりと評価をし治療方法を考えていきます。

予防と対策

現代人は、下を向いている、座っている事が殆ど。まずは、

  1. 1日に数回は上を向きましょう。
  2. 頭を天井から引っ張られているつもりで背筋を伸ばしましょう。
  3. 胸を良く開いて、たくさん酸素を吸いましょう。
  4. スマホ・PCのやりすぎに注意しましょう。
  5. 足を組むのを止めましょう。

簡単にできる体操・ストレッチ

  1. 顎の筋肉を伸ばすように鎖骨を抑えて首を後ろに反らしましょう。首の前側を良く伸ばしてあげましょう。
  2. 背骨の可動性と肩甲骨ををしっかり動かしましょう

首や肩の痛み、腕から手にかけての痛みや痺れでお悩みの方は、『横浜駅徒歩12分なる.整骨院』にご相談ください。