腱板炎・腱板損傷・腱板断裂の症状・原因解説

腱板損傷

腱板炎・腱板損傷とは?

概要

現在、日本の中高年以上の方で4人に1人が腱板炎・損傷・断裂など腱板に何かしら支障がきたしているといわれています。私たちは知らず知らずのうちに日常生活などで無理な動きをして肩を酷使しています。40歳頃から腱の変性が始まりだんだんと強度の低下がおこるといわれています。その影響で小さなストレスでも損傷が起こるケースもあります。腱板損傷・断裂の診断はレントゲンではできません。MRIが有用です。最近では簡便でリスクの少ない超音波検査も普及しています。

代表的なものでは明かな外傷でおこるもの、はっきりとした原因がなく日常生活でおこるもの、また野球をしている少年たちにも起きる事(野球肩)があります。

外傷によるもの

何かと接触した場合や転倒した場合などに損傷します。肩をぶつけていなくても転倒し手を着いただけでも肩関節に衝撃が加わり傷める事も少なくありません。転倒した後、肩を打っていなくても痛いと感じた際は、早めに受診をすることをお勧めいたします。また、肩を脱臼した際にも発症する事があります。

変性によるもの

長い年月腱板にストレスを受け続けた結果、損傷などがおきます。外傷よりも比較的多いです。スポーツなどの影響で反復して肩にストレスがかかりおこるケースや家事、仕事などの日常生活で同じ動作を繰り返してのケース。また食事や生活習慣などの影響で血流が悪くなった状態が長く続き腱の変性を加速させ損傷するケースもあります。

腱板(ローテーターカフ)とは?

肩関節における症状の説明などでよく耳にする腱板(ローテーターカフ)とは、上腕骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉で、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋、4つの筋肉の総称を腱板と呼びます。

肩甲下筋

①肩甲下筋:肩甲骨の裏側にべったりと 張り付いている筋肉です。肩甲骨の裏側に張り付いているなんて想像が着き辛いですね。

腱板

②棘上筋:肩を外側に挙げていく(外転)筋肉です。

③棘下筋:小円筋と共に肩関節の外旋(外側に捻る)水平伸展する際に使用します。また、肩関節の後方の支持性を高めるのに重要な筋肉です。

④小円筋:棘下筋と作用は、ほぼ同じで、肩関節の安定性に重要な筋肉です。

この腱板の中で一番損傷を受けやすいのが棘上筋です。

症状

運動痛

安静時痛があることもありますが、動かしたときの痛み(運動痛、動作痛)が多いです。初期では肩の動き自体は硬くなることは少なく、動かすことはできるが痛みがあるという人が多いです。肩を挙げたり下ろしたりする動作でコリコリした音や引っかかりを感じる方もいるようです。力をいれて挙げようとすると痛むが、反対の手や他の人に支えながら挙げると痛みが軽減するケースもあります。痛みが強い場合は無理に肩を挙上するのは避けた方がよろしいでしょう。

※アイシングはする?しない?

腱板損傷など急性期のお怪我(ケガをしたばかり)の時は、アイシングをしても良いと考えます。冷やし過ぎは、良い組織まで冷えてしまい最終的にはお怪我の回復を遅らせる要素となる事もしばしばありますので、注意が必要です。

急なお怪我もそうですが、当院では急なケガの直後以外はアイシングを推奨していません。『冷やす事で冷たく気持ちが良い』『冷やす事で患部が麻痺した感覚で鎮痛効果』といったレベルです。やはり温めることで血流をよくし、患部をどんどん修復していかなければいけません。『冷えは万病のもと』冷やしてよいのは、ケガをした直後の10分程度と考えます。最近では、イタリアサッカーセリエAでは、アイシングはほとんどしないそうです。

肩関節の可動域制限

一般的に腱板損傷では痛みがあるので動かさない。動かす事は可能だが痛みがあるという人が多い印象です。肩を挙げようとしたら挙げられる人が多いです。痛みがあるのに無理やり動かすのは避けてください。五十肩でよく見かける拘縮のように固まることは少ないと思います。腱板損傷で極端に可動域が制限される事は少ないですが痛む時期が長引けば長引くほど可動域が制限されやすくなるので早めにみてもらいましょう。

夜間痛

腱板以外の肩関節の疾患でもおこる症状です。夜寝ている時にズキズキするほどの痛みが出現し眠れない程になる事もあります。患者さんはこの夜間の痛みが一番辛いと訴えてくるケースがよくあります。この夜間痛が出現し初めて整骨院や病院に訪れる事が多いですね。

【参考】夜間も続く肩の痛み

検査

ドロップアームテスト:腱板損傷を疑う一つのテスト法です。陽性と出たからと言って確実に腱板を損傷しているわけではありません。確定診断にはMRIが有効です。

類似疾患

肩関節疾患で類似するものとして肩関節周囲炎や上腕二頭筋長頭腱断裂、石灰沈着性腱板炎などあります。肩の疾患は多数あり、複雑なのでそのまま放置しておくのは危険です。しっかり専門家に診てもらいましょう。

腱板が断裂してても痛くない!?

ある調査では年齢を重ねるごとに腱板を断裂する人が増加しているが、その約三分の二の方が自覚症状がないとの事です。腱板が断裂していても痛みが出ない方もいるということです。ただ、これを放置するとどうなるでしょうか?無症状の腱板断裂の患者さんを調査したところ、その約23%の患者さんが2年間で症状が出てきたとの事です。このことから腱板断裂の場合だと放置したままいると徐々に悪化する可能性があるといえます。腱板が断裂しているから腱板の痛みかは定かでははありません。ですが腱板、肩関節へストレスがかかっているのは間違いないです。

一般的な治療法

1 保存療法

保存療法とは、大きく分類すると非観血的療法(手術をしない方法)の事を意味しています。

  • 湿布
  • ステロイド剤、ヒアルロン酸注射
  • 鎮痛剤の内服
  • 整形外科でのリハビリテーション(筋力増強訓練・可動域訓練など)
  • 電気療法

一般的に使われているのは干渉波やSSP療法といった電気治療です。この電気治療器は表面の組織に刺激を与えます。ですが患者さんの多くは深層の深い組織(筋肉など)への刺激が必要な方たちばかりです。

手術方法

保存療法で良好な結果が得られない場合、病院では手術を選択することがあります。主に行われる手術は直視下手術(オープン法)と呼ばれる手術と関節鏡視下手術です。直視下手術は大きな断裂の場合に選択されることが多いです。確実ではあるものの切開創が大きく、術後のリハビリも大変で患者さんの負担は大きいです。この手術を選択する事は少なくなってきています。最近では関節鏡視下手術が普及しています。一番のメリットは侵襲が少ない事です。術後の疼痛も以前の手術と比べるとかなり減ってきています。深い所まで観察もでき、リハビリもスムーズに行えるので最近ではこの手術を選択される事が多いです。

最近、軽症例では炎症が起こっている滑膜を切除するためだけに関節鏡下でデブリドマン(創面清掃)のみを行う事もあります。デブリドマンとは簡単に説明すると関節の中を掃除することです。そして他の腱板の手術に比べて短時間で行えるのでリスクも比較的少ないです。

当院の治療法

1 まずしっかりと肩関節における症状について理解していただきます。その上で治療を続けていかれるかご自身で判断していただきます。簡単には改善しない症状が多いですので、しっかりとした説明を心がけています。

2 身体全体を診る

【参考】当院の治療方法・評価・検査

肩関節が正しく動くには、上記にもありますが、骨盤・股関節・背骨・肩甲骨が正しく動いていなければいけません。また、筋肉の緊張は必ず起こりますので、筋肉の弛緩には頸椎からも調整していく必要が必ず出てきます。肩関節が拘縮どころか硬直しているケースもありますので、硬直しているケースではやはり少しお時間がかかります。しかし、急に患うわけではなくこれまでの身体の使い方の結果、痛みと可動域制限を伴いますのでしっかりとした治療が必要です。

3 物理療法

夜間痛を伴う方には、定電流治療器が効果的です。3回~5回くらいの治療で夜間痛が消失するケースが多いです。肩関節の拘縮・硬直にはトップアスリートも使用している立体動態波・超音波治療を使用する事もあります。当院では、干渉波・低周波はあまり効果があるとは考えていないので使用してません。腱板損傷の場合、肩関節内の血行を良くし、損傷部の回復を如何に早めていくかが重要と考えます。そのためには、効果の高い物理療法も必要不可欠の場合も多いです。

 

4 未分化の組織(モヤモヤ血管)

損傷した組織の周囲には、必ず硬結や未分化の未分化の組織(モヤモヤ血管)に対しての施術を行います。少し、痛みを伴うケースもありますが長く続くことはありません。この未分化の組織(モヤモヤ血管)を早く取り除ける事が早期回復にも繋がります。

5 筋膜リリース

ほとんどの患者さんの肩甲骨が癒着しています。肩甲骨と肩関節が一緒に動いてしまったり、肩甲骨が動かなくなってしまっています。この癒着を剥がす事で筋膜の滑走性が良くなることはもちろん、溜まっている老廃物が代謝されます。この治療をして身体にとって損はありません。痛みのない方も是非、受けてみる事をお勧めします。当院では、【ファズブレード】とう器具を使用しこの癒着を剥がしていきます。

筋膜リリース

【参考】筋膜リリースって!?

予防法

  • 筋肉関節の柔軟性を高めておく

    正直、腱板損傷に対しての直接的な予防法というのはなかなか難しいかもしれません。しかし、日頃から出来ることとしては肩関節に運動に関する筋肉・関節の柔軟性を高めておくこと。肩関節内の循環を良い状態にしておくことでしょうか。肩関節に関わる筋肉としては、胸の筋肉(小・大胸筋)上腕二頭筋・上腕三頭筋・前鋸筋・お腹周りの筋肉(腹斜筋・腹直筋)などなどです。

  • 転倒した際に片手で着かないようにする
  • 栄養をしっかり摂る 肩関節だけに言えることではありません。すべての疾患に対して、健康に対して必要不可欠なのはバランスの良い栄養素です。私たちの身体は、すべて栄養素から出来ています。
  • 参考までに腱板に関する栄養素

【棘上筋に良いとされる栄養素】:リボ核酸。タンパク質・アミノ酸・コリン

【肩甲下筋に良いとされる栄養素】:ビタミンE、ビタミンB2、B3、C,カルチニン

【小円筋に良いとされる栄養素】:ケルプ(コンブ科、ヒバマタ科などの大形海藻全般の総称です。ケルプには、主に必須アミノ酸の1つでもあるヨウ素や、リン、カルシウム、ビタミン、タンパク質、水溶性の食物繊維が多量に含まれています)およびほかの海藻類に含まれる有機ヨウ素、チロシンなど

【棘下筋に良いとされる栄養素】:ケルプに含まれる有機ヨード、亜鉛、銅、ビタミンC、A

【参考】肩関節に関する口コミと症例

肩の痛み、腱板損傷でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

なる.整骨院の院長です(詳細な経歴)。柔道整復師・医薬品登録販売者・パーフェクトクラニオロジー協会会員。皆さんのお役に立てる情報提供をして参ります。