肩関節における痛みを出す症状

肩が痛い・・・と感じている方はおそらく大勢いらっしゃる事と思います。今回は、肩関節における痛みの症状名ってどんなものがあるのかをまとめてみました。肩が痛い、挙がらない、動かすと痛いからと言って全て四十肩・五十肩ではありません。肩関節における大きな総称は、肩関節周囲炎といいます。肩関節における症状は、なかなか改善し辛いケースが多いです。1・2回で改善したケースは軽傷だったと理解すいることが良いかと思います。

肩関節における構造的機能的特徴

肩関節は、人体における最も可動性の高い関節です。様々な方向へ縦横無尽に動かせる関節です。しかし、そんな可動性の高い肩関節ですが関節の受け皿は浅く、筋肉や靭帯・軟部組織に依存しているといわれてきています。それ故に肩関節を構成している筋肉、靭帯・軟部組織にかかる負担は大きく傷める可能性も高いと言えるでしょう。またそれまで良く使用されてきている事からか傷めてしまうと治り辛いケースも多いのかもしれません。

肩関節の構造

肩関節とは、上腕骨と肩甲骨で構成されています。肩甲骨から成る浅い受け皿に上腕骨の丸い頭が浮いた様に構成されています。その周囲には、不安定な肩関節の安定性を保つために無数の筋肉・腱・靭帯により支えられています。

 

第2肩関節

第2肩関節をご存知ですか?一般の方は知らなくても当然かと思います。我々治療家の中では、第2肩関節と呼ばれているのですが、肩峰と上腕の間にあるクッション滑液包との間を第2肩関節と呼んでいます。この部位での圧迫・衝突・引っ掛かり・炎症を生じる事により痛みが出現する事も多いです。

肩峰下滑液包炎

腱板(ローテーターカフ)とは?

肩関節における症状の説明などでよく耳にする腱板(ローテーターカフ)とは、上腕骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉で、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋、4つの筋肉の総称を腱板と呼びます。

肩甲下筋

①肩甲下筋:肩甲骨の裏側にべったりと 張り付いている筋肉です。肩甲骨の裏側に張り付いているなんて想像が着き辛いですね。

腱板

②棘上筋:肩を外側に挙げていく(外転)筋肉です。

③棘下筋:小円筋と共に肩関節の外旋(外側に捻る)水平伸展する際に使用します。また、肩関節の後方の支持性を高めるのに重要な筋肉です。

④小円筋:棘下筋と作用は、ほぼ同じで、肩関節の安定性に重要な筋肉です。

肩関節の動き

① 外転:肩を身体から外側(横)に離して挙げていく動きです。代表的な筋肉は、棘上筋・三角筋中部繊維が挙げられます。また、肩関節に外転動作に関与する筋肉として腹斜筋・前鋸筋などたくさん挙げられます。可動範囲は、180度:耳の後ろまで上げられることが正常可動範囲と言われています。

② 内転:肩を垂らす動作・下垂ている肩を反対側に動かしていく動きです。代表的な筋肉は、広背筋・大胸筋・大円筋が挙げられます。

③ 屈曲(挙上):肩を前方に挙げていく動きです。代表的な筋肉は、三角筋前部繊維・大胸筋上部・烏口腕筋が挙げられ正常可動域は、180度です。耳の後ろまで挙げられることが理想的です。

④ 伸展:肩を後ろ方向に挙げていく動きです。代表的な筋肉は、広背筋・大円筋・小円筋・三角筋前部繊維です。正常可動域は、60度と言われております。

⑤ 回上:肩を外転し肘を曲げる動きです。5番6番は、少し複雑な動きになりますので、肩関節の痛みが改善してきても最後にこの動きが痛い事が多いかもしれません。

⑥ 回後:肩を外転し、肘をした方向に曲げていく動きです。結帯動作とも言いますが背中で髪を結う動作、下着を着ける動作が痛い方はとても多いです。それも肩関節と肘関節の複合的な動きが関与してくるためです。

⑦ 水平屈曲:前方に挙げた肩を反対側に動かしていく動きです。代表的な筋肉は、大胸筋・三角筋前部繊維です。正常可動域は、約130度と言われております。

⑧ 水平伸展:前方に挙げた肩を外側に開いていく動きです。代表的な筋肉は、三角筋後部繊維・棘下筋・小円筋が挙げられ、正常可動域は、30度と言われています。

症状名(どんな症状があるの?)

1 四十肩・五十肩

上記に詳しく説明しておりますが、一番一般的に知られている肩の痛みの症状名です。原因はあまり定かとはなっていないのですべてが四十肩・五十肩だと勘違い・騙されない様にしっかりお読みください。

2 石灰沈着性肩関節炎・腱板症

こちらも詳しく説明をしておりますが、しっかりと原因となる石灰沈着がある場合は早期回復が可能なケースも多くありますので、しっかりとお読みください。

3 インピンジメント症候群

インピンジメントとは、『衝突』という意味です。肩関節内で炎症や肥厚した軟部組織が挟まってしまう事により痛みを生じます。

4 腱板炎・断裂

腱板損傷

上記で説明した腱板(ローテーターカフ)に炎症を生じたり、微細な損傷、重度では断裂を生じてしまいます。ご高齢になるとしらずと損傷や断裂をされている方も少なくはありません。筋肉も消耗品であり特に肩は、使用頻度が高いため、傷めていないのに痛くなってしまうケースがございます。

5 肩峰下滑液包炎

滑液包炎

肩峰下滑液包とは、肩甲骨の肩峰上腕骨の間にある、中に液体の入った袋です。この滑液包が骨と筋肉の間の摩擦を減らす役割をしています。この滑液包に炎症を生じてしまうことを滑液包炎と呼び、肩関節に痛みを生じる原因の一つとなります。

6 上腕二頭筋長頭腱炎

上腕二頭筋腱炎

上腕二頭筋は、一般的にも馴染みのある筋肉かと思います。いわゆる【力こぶ】の筋肉です。上腕二頭筋には、長頭と短頭と二つの腱に別れて付着します。この長頭に炎症を生じてしまうことを上腕二頭筋長頭腱炎と呼びます。肩関節の前面に痛みを生じ、割と他の方の疾患に比べて徒手検査で判別がつきやすい症状です。

7 関節唇損傷(SLAPリージョン:損傷)

SLAP

上腕骨の受け皿である関節唇(肩甲骨側)に損傷をきたしてしまう症状をスラップ損傷と呼びます。主に野球をしている方など肩を酷使するスポーツやお仕事の方に起きやすい症状です。

8 ヒルサックリージョン

7番は、関節の受け皿の損傷に対して上腕骨骨頭側の損傷をヒルサックリージョン(損傷)と呼びます。これも野球やお仕事で肩を酷使する方に起きやすい症状の1つです。

9 内科的疾患

整形外科的疾患だけを診ていると見落としてしまうかもしれません。動かして痛いだけでなく何もしていなくても痛んだりだるかったり重い痛みが続く場合は、心臓など内科的な要因が潜んでいる場合もあります。いきなりこれを疑うことは余りありませんが一応頭に入れておきましょう。

肩の痛みでお困りなら『なる.整骨院』へ

肩関節の痛みと言っても原因は様々です。上記以外にもまだ存在していますがその原因が分かりづらい症状が多いのも肩関節疾患の特徴です。当院では肩における痛みの原因や説明をしっかりお伝えすることを大事にしています。肩が痛くてお困りの方は、横浜駅徒歩12分【なる.整骨院】へご相談ください。

【参考】肩関節における症例と口コミ