高校生キャッチャ―の腰痛
※あくまで個人の感想であり、皆様に同じ効果が出るという事ではございません
今回の症例は高校球児の背中と腰の痛みです
ポジションはキャッチャーをしていて、夏場のハードな練習をしていた最中に突然痛みが出てしまい、ジャンプやダッシュが出来なくなってしまったそうです。
身体を診ていくと野球という競技特性に加えキャッチャーというポジション上の特徴が見えてきました。
脊柱起立筋の左右差
検査でまず気になったのが脊柱起立筋の左右差でした。
座らせて起立筋の盛り上がりを見てみると、右に比べて左の方が顕著に盛り上がっていました。
立位で身体を左右に倒してみると明らかに右側に倒しずらそうな様子……。
これは左の脊柱起立筋が過緊張してしまい、柔軟性が失われてしまっていることを意味します。
ではなぜこれほど左右差が出てしまったのでしょうか?
それは野球という競技の特性にあります
野球やゴルフなど同一方向に身体を捻るスポーツは、起立筋、広背筋、腹斜筋などの筋肉に左右差が出やすく可動域の低下、肩甲骨の位置異常、骨盤の歪みなどを生みます。
この状態でプレーをすることによって左右のバランスはますます崩れ結果として背中あるいは腰に痛みを生じてしまうのです。
骨盤の位置異常と腰椎
次に気になったのが骨盤の後傾でした。
ベッド上で長座の姿勢をとらせてみると完全に骨盤が後ろに倒れてしまっており、腰椎の前弯もほとんどなくなってしまっていました。
いわゆる「腰が入ってない」状態です。
おそらくこの姿勢はキッチャーというポジションの特性によるものだと考えられました。
野球のポジションのうち唯一、しゃがんだ状態でのプレーがほとんどなのがキャッチャーです。
しゃがむという動作は基本的には背中が丸くなり骨盤が後ろに後傾してしまいます。
この状態が長く続くと腰や背中には、かなりのストレスがかかります
剣道などでみられる「蹲踞」(そんきょ)がとれれば、そういった腰へのストレスは減りますが仙骨が後ろに後傾していたり股関節や足首がかたいとなかなかとることが出来ません(最近は出来ない子が多いです)。
(↑剣道の試合においての「蹲踞」の姿勢)
蹲踞が出来ないとオスグッドなど他のケガに繋がってしまうリスクもあります。
競技特性の理解
今回の高校生に対しては上記の2点を改善するよう施術・調整しその結果3回の施術で痛みは全く無くなりました。
最近は様々なスポーツをされている学生さんが多いですが、学生さんに限らずスポーツをしている方のお身体を診るときはその競技の特性をしっかりと理解したうえで診てあげると良いでしょうね。
スポーツをしているとどうしても一方は使い過ぎてもう一方は使わなかったりと左右の筋肉のアンバランスや身体のバランスが偏ってしまうことがあります。
やはり日頃のケアと定期的なお身体のメンテナンスがケガの予防・パフォーマンスの向上と二重の意味で重要ですね。
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