腰痛Q&A

※あくまでも当院の見解です。ご参考になれば幸いです。

腰痛になってしまった際、『どう対処してよいのか分からなかった』という経験はありませんか?日頃、患者様から聞かれることが多い腰痛に関連する質問をピックアップし、それに対する回答をまとめました。腰痛に対する当院の基本的な考えにもなりますのでご参考になれば幸いです。

Q.安静にしていた方が良いのか?

A. 極端な安静は控え、可能な範囲で動いて下さい。

ぎっくり腰などの急性腰痛などの場合、「なるべく安静にしていて下さい。」と言われるイメージがあるかと思います。しかし極度の安静はかえって症状が悪化してしまったり、治りが遅くなってしまう可能性があるのです。これは痛痛診療ガイドライン2012(日本整形外科学会)にも記載されている事項であり、むしろ可能な範囲で動いた方が良いとされています。ただし急な動きや過度な負荷を掛けることは避けるべきでしょう。具体的には15~30分程度の散歩をしたり、無理のない範囲で左右交互にもも上げをしてみて下さい。ただしなるべく痛みの出ない範囲で無理せずに行うよう注意して下さい。

Q.冷やす?温める?

A.  急性期は冷やして慢性期はなるべく温めましょう。

特にスポーツをされている方はご存知かもしれんせんが、どこか痛めてしまったりケガをしてしまった際にはアイシングを用いることが多いです。アイシングは患部を冷やすことで、痛みの緩和・血管の収縮・細胞の活動低下によって、炎症反応(発赤熱感腫脹疼痛機能障害)や患部以外への二次的被害を抑える目的があります。一方それに対し患部を温めると、血管が拡張することで血流が良くなり、組織の修復・改善を促進する役割を持ちます。

しかしそれぞれをケガの状態に合わせて用いないと、かえって状態を悪化させてしまったり、回復を遅らせてしまう場合があるので注意が必要です。

まずアイシングの正しいタイミングとしては、受傷直後の急性期(24~48時間)で炎症反応がみられる場合に行います。患部を感覚がなくなる程度(10分程)を目安に冷やします。急性期以降で炎症が落ち着いている様であれば、今度は積極的に温めて血流の促進を図りましょう。間違っても急性期に温めてしまったり、慢性症状に対してアイシングを行うことは避けて下さい。

Q.マッサージやストレッチは行うべきか?

A. 患部には強めの刺激を入れず、ストレッチは痛みのない範囲で行いましょう。

まずはマッサージとストレッチ、それぞれの効果について説明していきましょう。

  メリット・効果 デメリット・難点
マッサージ
  • 筋肉の緊張が和らぐ
  • 血流を促進させる
  • 老廃物が流れる
  • 損傷部にダメージを与えてしまう
  • 炎症を悪化させてしまう
  • 痛い場所が原因とは限らない
ストレッチ
  • 身体の可動域が上がる
  • 筋肉の柔軟性が上がる
  • リラックス効果が得られる
  • 急に伸ばすと逆に緊張してしまう
  • ストレッチの姿勢が困難なこともある

腰痛にも様々な種類がありますが、ぎっくり腰などの急性腰痛の場合、患部に炎症が起こっているケースが多いです。その為痛めてからすぐに患部をぎゅうぎゅうとマッサージしてしまうと炎症を悪化させてしまったり、損傷している組織を傷つけてしまうことがあるのです。

またストレッチに関しては基本的には痛みのない範囲でゆっくりと行いましょう。痛みを堪えて無理にストレッチの姿勢をとったり、勢いよく伸ばしてしまう(伸張反射)とさらに筋肉が緊張してしまう可能性があります。

Q.湿布は貼ったほうが良いのか?

A. 副作用なども理解したうえで貼ったほうが楽であれば貼って下さい。

ご存知の通り湿布とは痛みのある部分に貼ることで、痛みや炎症を押さえる効果がある医薬品です。病院で処方されることも多く、薬局やドラッグストアでも購入出来る為使ったことがある方も多いのではないでしょうか?しかしその反面、あまりどんな効果がありそんな成分が含まれているのか知らないという方も多いのが現状です。まずは湿布に含まれ成分をご紹介します。

➊ サリチル酸メチル

湿布にもいくつか種類がありますが、そのほとんどに含まれているのがサリチル酸メチルです。元々は植物由来の物質で自然界にも存在しています。古くから薬草など消炎効果があるとされていました。

❷ 非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)

非ステロイド剤(NSAIDs)は高い鎮痛効果と消炎効果が期待されます。よく市販の湿布のパッケージに記載しているインドメタシン・ロキソプロフェン・イブプロフェンなどといったものがこれに該当します。それそれの湿布によって含有量が異なる為、含有量が多い方がより強い効果が期待できますが、その分肌のかぶれや副作用なども強くなるので注意が必要です。

❸ カプサイシン(温湿布の場合)

カプサイシンは主に温湿布に含まれており、主にトウガラシに含まれている成分です。カプサイシンよって皮膚に刺激が入ることで血流を良くすることが目的となります。温湿布特有のジンジン・ヒリヒリする感じはカプサイシンによる影響です。

 

湿布を使用する際に一番気を付けなければいけないのが副作用です。湿布も医薬品に該当するため必ず副作用があるのはご存知でしょうか?皮膚のかぶれが一般的かと思いますが、湿布の種類によっては光線過敏症という皮膚の炎症や色素沈着を伴う症状を引き起こすケースもあります。また飲み薬の痛み止めに比べるリスクは低いものの、成分的には胃や消化器系に影響が出ることも考えられるます。

まずはしっかりとパッケージの裏に記載してある副作用などをしっかりと確認して、貼る時間や環境に注意しながら使用してもらうことが重要かと思います。湿布自体は決して悪いものではなく使い方が肝心だということです。貼って痛みや症状が楽になるようであれば使用するべきでしょう。ただ貼っててもあまり変わらないようであれば無理に貼っておく必要もないかもしれませんね。

Q.整形外科と整骨院(接骨院)どちらに行くべき?

A. 正直なところ正解はありません。

  しっかりとその院の特徴や情報を調べてから行くことをお勧めします。

これも良く聞かれる質問であり、上記の通り正解はありません。そもそも整形外科と整骨院(接骨院)は別物であり、そのシステムや特徴もそれぞれ異なります。まずは整形外科・整骨院(接骨院)・整体院の違いをしっかりと把握しましょう。そのうえで各院ごとの特徴や先生方のキャリア、そして患者様の口コミを確認し、ご自身にあった院を探してみて下さい。

整形外科
  • 医師免許を所持している医師が常駐している
  • 画像診断(レントゲン)によって骨折や重大な疾患(腫瘍など)がないか鑑別できる
  • 基本的には投薬療法でリハビリ科を併設している場合は物理療法も可能
  • 健康保険が使用できる
整骨院(接骨院)
  • 整骨院と接骨院に大きな違いはない
  • 国家資格である柔道整復師を所持している
  • 医師とは違い診断やレントゲン撮影をすることはできない
  • 徒手検査を元に施術を行う
  • 2~3週以内の受傷原因のある骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷は健康保険が使用できる
整体院
  • 健康保険が使用できない症状の施術を行う
  • 国家資格は特に必要ない
  • 健康保険は使用できない
  • 各院ごとに知識・技術の差が激しい

 

【参考】整形外科と整骨院・接骨院・整体院の違い

Q.注射はした方が良いのか?

A. 症状によって異なりますが、繰り返しの注射はお勧めしません。

ブロック注射とは

「整形外科や病院でブロック注射を打ってもらった」と耳にする事があると思います。そんなブロック注射の事、みなさんはどれ位理解されていますか?一般的には痛みを感じている神経や軟部組織に麻酔剤や抗炎症剤(ステロイド)を注射し痛みを和らげる作用があるといわれています。痛みを一時的に止めるための注射と思っている方も多いと思います。

しかしブロック注射に一番期待する本当の効果は、血流の改善によって細胞の修復を促す事と言われています。ブロック注射により交感神経を抑制→血管拡張→血流増加→細胞の修復促進→痛みの軽減につながります。

これらの作用に基づいて痛みの悪循環を遮断することを期待します。

患者様の中にも当院にお越しいただく前に「病院で注射をしてもらった」という方がいらっしゃることがあります。しかし注射で症状が改善・緩和しないケースも多くあり、その結果として当院も含めた整骨院(接骨院)や整体に行かれるのではないでしょうか?腰痛の際に打つ注射としてはブロック注射が用いられることがほとんどですが、ブロック注射の中にもいくつか種類があります。

ブロック注射の種類

  • トリガーポイント注射
  • 硬膜外ブロック
  • 神経根ブロック
  • 星状神経節ブロック

ブロック注射には上記のメリットもありますが、感染症のリスクや打つ場所によっては激しい痛みを伴うことも考えられます。また繰り返し注射をしたり、その場では良くなってもまた痛みが戻ってしまう場合はそれ以上注射をするべきではありません。

先程も申し上げましたがブロック注射は打つ方の技量で変わってきます。理想としては経験値の高い先生に安全かつ慎重に打っていただけると良いですね。

【参考】ブロック注射はどんな効果があるのか?

Q.ヘルニアは治るのでしょうか?

A. 手技療法ではヘルニアを取り除くことは出来ません。

  まずはその症状が本当にヘルニアによる症状なのか見極める事が重要です。   

A:ヘルニア自体は、半年ほどの月日を掛けて、神経細胞が食べてくれる(吸収)といわれています。したがって、何年前・何十年前にヘルニアと診断されて、『私はヘルニア持ちだ』という方が多いですが、おそらく現在は、ヘルニア自体は、MRI画像には映らないかもしれません。もしヘルニアが存在する場合は、新たに出来た可能性があります。その辺りも担当の先生に伺ってみるのも良いでしょう。

また、我々、手技療法ではヘルニア自体を取り除くことはもちろん出来ません。治療によって改善される方のほとんどが、ヘルニアがあっても他に原因があるから改善しているという事になります。

【参考】ヘルニアの症状・原因・治療・予防解説

Q.お尻から足にかけてのラインに痛みがあると腰が原因なのでしょうか?

A. 必ずしも原因が腰にあるわけではありません。

A:お尻が痛い、太ももが痛い、膝が痛い、ふくらはぎが痛いなど腰より下の部位に痛みや痺れがあると『腰が原因ですね』『ヘルニアですね』と言われることが多いようですが、原因は腰にある事は少ないかもしれません。

そのような症状の方に限って、腰が痛くない方が多いのも頷けます。

そしてヘルニアの有無は、MRIを撮影する事で初めてわかります。レントゲンには映る事はありません。MRIを撮影せずにヘルニアと言われた場合は、一喜一憂しない様にする事が賢明です。

【参考】坐骨神経痛の症状・原因・治療・予防解説

【参考】ヘルニアと診断された坐骨神経痛

【参考】ヘルニアだと2年間思い込んでいた坐骨神経痛

Q:腹筋と背筋を鍛えれば改善するの?

A.  すべての腰痛に有効なわけではありません。

腹筋や背筋のトレーニングもそうですが、TVや雑誌などに掲載されている腰痛治療法が必ずしもすべての症状当てはまるわけではありません。万人に聞く薬はないのと同じで、万人に効果のある腰痛治療法もないと考えます。試してみるのは良いかもしれませんが、痛みが強くなってしまったり負荷が強い場合はすぐに中止した方が良いでしょう。

また、腹筋・背筋のトレーニングを勧める理由としては、腰椎には肋骨が付着しておらず腰の筋肉により負担が掛かってしまう人間の解剖学的特性があるためです。これは首の頸椎においても同様のことが言えます。『肋骨がない分、筋肉が頑張りすぎてしまう』その為に鍛えた方が良いのは間違いではないでしょう。『なる.整骨院』では、腹筋は鍛えても良いけど必ず終わったら伸ばしてください、と説明しております。現代の方のお腹は、『長時間の座位・猫背』が原因で縮んでいます。縮んでしまっているお腹をより鍛えるだけでは、反り腰を助長しより腰痛が強くなるかもしれないと考えています。何か新しいセルフケアや予防を始める際は、お身体のチェックを含めて我々にご相談下さい。