3か月前から肩が痛い

肩が挙がらない

反対の肩を触った際に受傷

今回の症例は、入浴している際に左手で右肩を洗おうとした際に左肩を痛めてしまった女性です。来院時にはすでに痛めてから3ヶ月が経過しており慢性化していることは明確でした。当初に比べ痛みは少し緩和しているもののまだ日常生活においても痛みが出ている状態でした。

肩の痛みの特徴

肩関節は身体の中で最も大きい関節可動域を有していますが、その反面、関節の支持性は筋肉や靭帯など軟部組織に依存している特徴があります。その為、負担が加わり過ぎてしまうとちょっとした動きでも軟部組織の損傷・炎症に繋がる恐れがあるのです。

また肩の痛みといっても原因・症状は様々ですが、総じて改善しにくいケースが比較的多いです。仮に1~2回で改善した場合、その程度の症状だったと考える方が自然でしょう。

主な症状名

原因は上腕二頭腱と姿勢

肩の症状を診ていくうえで、姿勢の問題は絶対に外せません。なぜなら姿勢が悪いと、関節の構造的に肩が十分に挙がらないからです。ご自身でも猫背の姿勢で手をバンザイしてみると、手が挙がりにくい感覚を得られるかと思います。特に肩の症状の場合「巻き肩」を呈している方が非常に多いです。今回の患者さまも痛めている左肩だけ明らかに内側に巻いている状態で、この巻き肩を元に戻すだけでも低下していた肩の可動域は改善していました。

しかし、まだ反対の肩を触る動きは痛みが出ている状態だったので、さらに検査をしていくと上腕二頭筋の筋出力が低下していることが分かりました。上腕二頭筋の長頭腱と呼ばれる部分は骨の溝の間を滑走しているため、摩擦やストレスが加わりやすく癒着などにより柔軟性が失われやすい部分です。残っている痛みも筋膜リリースを使用し、癒着部の除去や滑走の正常化するよう施術を行うことで無くなりました。

【参考】筋膜リリースとは?

肩の痛みの放置は危険!!

運動してる方に限らず、普段生活している中でふと肩の痛みを感じる方もいらっしゃるかと思います。大概1~2日で治まることが多いですが、中には今回の方のように「なかなか痛みが抜けない」という方もいるのではないでしょうか?

結論から言うと、そのまま症状を放置すると大変危険です。なぜならそのちょっとした痛みが最終的に重度の四十肩・五十肩に移行してしまう可能性があるからです。重度の四十肩・五十肩の場合、拘縮といって関節自体がガチっと固まってしまい、動かしたくても肩が動かない状態になってしまいます。この状態ですと治癒期間が平均10ヶ月かかるとも言われており大変厄介です。

もしも肩に痛みを感じてから1週間程経っても痛みがある場合はお早めにご相談いただけると幸いです。