椎間板ヘルニアって何?
※あくまでも当院の見解です。ご参考にしていただければ幸いです。
今回は、世間一般的にも認知されている腰椎椎間板ヘルニア(椎間板ヘルニア)について今一度、詳しくかつわかりやすくご説明していきます。もし今あなたが椎間板ヘルニアと診断され、とても悩んでいる方は、「その痛みの原因がヘルニアかどうかは、別問題かもしれない?」「絶対に手術はしたくない」という方は、ぜひご一読ください。
はじめに
『ヘルニアの画像と痛みは、必ずしも一致しない』
『ヘルニアが神経を圧迫しても痛みや痺れを出さない事が多い』
これは、欧米ではエビデンスが出ている事実です。この2つを頭に入れてこの先をお読みください。
ヘルニアとは?
椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア、herniated disc)は、ヘルニアの一種であり、椎間板の一部が正常の椎間腔を超えて突出した状態です
椎体と椎体の間には人体最大の無血管領域と呼ばれる椎間板が存在しており、椎間板は中央にゼラチン状の髄核、周囲にはコラーゲンを豊富に含む線維輪から構成されています。この髄核や線維輪の一部などが突出した状態が椎間板ヘルニアといいます。
多くの動物は脊椎を重力に垂直にして生活しているのに対し、人間は二足歩行であるために脊椎は重力と平行方向となる。このため、立位では椎間板には多くの負荷がかかってしまう事が原因の一つとも言われています
椎間板ヘルニアは、下位腰椎 (L4/5, L5/S1) が最多で、次に下位頸椎に多く、胸椎には少ない。胸椎に少ないのは、胸郭により、椎体間の可動性が頚椎や腰椎に比べ少ないことによる。また、神経根走行の関係から、下位腰椎では、上位腰椎に比べ、神経根症状を起こしやすく、発見されやすい面もあるかもしれない。高齢になると、下位頚椎での可動性が減少し、ヘルニアが起こりにくくなり、比較的上位の頚椎病変を来しやすくなる。すなわち、椎間板ヘルニアは、よく動く脊椎の部分で起こりやすいのである。
Wikipediaより転載
ヘルニアと診断された私と患者さんの腰のMRI画像
上の画像の様に白く縦に走る部分(脊髄)に黒くて丸く見える部分が飛び出し、脊髄を圧迫しているようにみえますね。因みに私は、腰もお尻もふくらはぎもどこも痛くはありません。
次にこの画像は、患者さんのMRI画像です。
少し重度のヘルニア患者さんです。この患者さんは、約半年前にヘルニアと診断され手術を勧められていましたが、その後痛みが無くなったのですが、半年後、転倒をきっかけに歩行が10歩くらいしか出来ないほどのお尻からふくらはぎにかけての痛みを訴えて来院されていた方の画像です。
今回は、『正直こんな痛いくらいなら○○たい・・・』とかなりネガティブな発言を繰り返すほどの痛みを訴えていました。症状が強いので、MRIを以前の病院で撮ると、『早く手術しましょう』と言われお薬をもらい帰院。ご本人は、『絶対に手術はしない』と強い気持ちで治療を受け続けました。その後約3か月、ほとんど痛みはなくなり5か月目にはふくらはぎのしびれもありません。このようにMRI画像でヘルニアがあっても痛くない方もたくさんいますし、上の画像の方の様に重度の症状でも改善するケースは多くありますので、『絶対に手術はしたくない』と強く気持ちを持っている方は、当院にご相談下さい。
ヘルニアは、画像と痛みは必ずしも一致しない
「画像でヘルニアのように見えていても、痛みがあるとは限らない」これは近年、欧米ではすでにエビデンスがでている事実です。今あなたの痛みは、1日中寝ている間も痛いですか?だとするとその原因は本当にヘルニアかもしれません。しかし、寝ているときや座っているときもしくは歩いていると緩和するなど痛くない時間帯があるとすれば、その痛みの原因はヘルニアではないかもしれません。
どんな人がなりやすいの??
腰椎椎間板ヘルニアは一般的な疾患であるが,有病率についての詳細な報告 はない.米国では人口の約1%,年間280万人が罹患していると推定した報告や米国ミネソタ州における1950〜1979年の30年間の調査で,初回手術を行った腰椎椎間板ヘルニアの頻度は年間人口10万人当たり46.3人,男女比は1.6:1で20~30代にい多いとの報告がある
腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドラインより
また、最近では100人のMRIを撮影すると半分の50人は、ヘルニアが出ているというエビデンスも出ているそうです。
一般的に、統計上は上記の様な説明が殆どですが、当院で考えるなりやすい方の特徴として
- 背骨(胸椎・腰椎)の動きが少ない方・前後の動きが乏しい方
- 筋肉・関節の動きが悪い方
- 座っていることが多い方・同じ姿勢を続けている方
- 激しい肉体労働をされている方
- 栄養状態があまりよくない(お酒・たばこ・暴飲暴食)方
が多いと考えられます。
ヘルニアの症状
上記の図のライン(腰・お尻・太もも・ふくらはぎ・足首・足)に痛みや痺れが出現します。いわゆる坐骨神経痛と言われる症状の原因の一つです。坐骨神経痛とは、症状名であって原因ではありません。上記ラインに痛みや痺れではなく、麻痺や場合、膀胱障害(頻尿・多尿その他)を起こしている場合は、早急に医療機関へご相談下さい。
※当院で考えるヘルニアと言われている(原因は別であるかもしれないが)症状をレベルで表現。
トップレベル 筋力低下・感覚異常・拍動減弱・膀胱直腸障害がある
LV5 歩けないほど、もしくは数歩しか歩けない程、お尻からふくらはぎにかけての部分に痛む箇所がある。また、夜間も眠れない程痛む。生活にも支障をきたします。(痺れも含む)
LV4 歩けないほどではないが、お尻からふくらはぎにかけてに痛む箇所があり、痛む時間帯も多い。(痺れも含む)生活・お仕事に支障をきたします。
LV3 長時間、座っている、立っているとお尻からふくらはぎにかけてに痛む箇所がある。(痺れも含む)
LV2 ランダム(いつ出るのかがわからない)にお尻からふくらはぎにかけて痛むことがある。(痺れも含む)
LV1 時々、お尻からふくらはぎにかけて違和感が出る。(痺れも含む)
※上記は、ヘルニアが必ず原因であるという意味ではありません。LV5の方は、急性期症状(痛みが出たばかり)ですと本当に痛いし辛いです。しかし、本当にヘルニアの手術が必要かというと別問題です。
ヘルニアの種類・タイプ
・膨隆(ぼうりゅう)型
P型とも呼ばれ、椎間板の一部が膨らんだ軽度の状態。外に飛び出してはいませんが、膨らむことで神経を圧迫することがあります。
・脱出型
SE型とも呼ばれます。髄核が線維輪を破って突出した、典型的な状態を言います。
・穿破(せんぱ)脱出型
TE型とも呼ばれます。線維輪を破って突出した髄核が、椎間板と脊柱管の間にある後縦靭帯(こうじゅうじんたい)も突き破った状態です。
・遊離脱出型
S型とも呼ばれます。後縦靭帯を突き破った髄核の一部が分離し、脊柱管内の別の場所に移動した状態です。なお、穿破脱出型と遊離脱出型は、自然消滅する場合もあることが最近わかってきました。ヘルニア組織が線維輪を破って飛び出と、人体に備わる免疫機能が異物とみなし、免疫細胞が異物を吸収して消滅させることがあるためとされています。
ヘルニアの検査・診断
- レントゲン検査:レントゲン検査では、ヘルニアかどうかはわかりませんので、ヘルニアかどうかをお知りなりたい場合はしっかりと精査が必要です。
- MRI検査:MRI検査を受ければヘルニアかどうかの診断がつきますね。痛みの原因かどうかは、また別かもしれないと考えて受けてください。
- 徒手検査:お医者さんも我々手技療法家も行います。ヘルニアかもしれないという判断はつきますが、これも痛みの原因とは限りません。実際に陽性と出ても改善する方は多くいらっしゃいます。
- その他、CT検査、脊髄造影検査、椎間板造影検査、神経根造影などもありますが、MRI検査で十分判断つくかと考えます。
椎間板ヘルニアが疑われる危険なサイン・症状
上記のような検査がさまざまありますが、下記のサインが出る場合は一番の注意点です。しっかり確認してもらいましたか?
- 感覚異常(痛みや痺れのラインを触られても感じない・靴下を一枚履いている感覚)
- 筋力低下(足や足趾に力が入らない)
- 拍動減退・消失
※膀胱・直腸障害(尿漏れ・多尿・頻尿など)
1~3の症状がすべて一致、もしくは※印が確認出来る際は、すぐに専門医へご相談下さい。
1~3が一つでも欠ける際は、時間が掛かる事もございますが、保存療法をお勧めします。
治療方法(医療機関)
まず、保存療法と手術療法に大きく分けられます。
保存療法とは、手術をしないで生活習慣を改善したり、薬・リハビリを生活に取り入れて治す方法を言います。
【保存療法】※医療機関での保存療法
- 投薬療法:消炎鎮痛剤(ロキソニンやリリカカプセル)やシップを処方されることが多いですね。鎮痛剤も効果や副作用に違いがありますのでお医者さんによく伺ってください。【参考】リリカカプセルの副作用こちらも合わせてお読みください。
- リハビリ療法:牽引機(欧米では10年以上前から使用されていないそうです)。干渉波/低周波(ヘルニアと診断されるほどの症状には効果をきたいするのは難しいかもしれません)マイクロ波(深部を温める機器/温めること自体は良い事ですが・・・)ウォーターベッド(全身の血流が良くなるのは良い事ですが・・・)コルセットを装着し、安静など。
- 神経ブロック注射:あまりに痛みが強い際に、1.2回で効果を感じられたら良いと考えます。※この療法もあくまでヘルニアが痛みの原因だった場合には有効かと考えてください。【参考】ブロック注射って効果あるの!?
- 加圧注射:椎間板ヘルニアの新しい治療法として椎間板内加圧注射療法・ヘルニア腫瘤内加圧注射療法が注目されており、手術が困難な高齢者でも受けられるという新型注射療法です。ペインクリニックで行っているところがあります。こちらもあまりに強い痛みの際は、1度受けてみるのは良いと考えます。簡単に説明すると、飛出たヘルニアを注射により破裂させるという療法で、破裂したヘルニアが他に悪影響を及ぼす事もないそうです。しかし、まだまだこの療法を行っていない医療機関も多いです。※この療法もあくまでヘルニアが痛みの原因だった場合には有効かと考えてください。
※「ブロック注射は一時的な麻酔にすぎず、薬が切れたら元の状態に戻る」と思われがちですが、ブロック注射の治療効果は「一時的な麻酔」だけではありません。
ブロック注射の重要な効果は、麻酔によって興奮した神経を落ち着かせ「痛みの悪循環」を断ち切ることにあります。『痛みの悪循環」とは「痛み」→「痛みで神経が興奮」→「血管や筋肉が緊張」→「血行が悪化」→「痛みが増す」というサイクルを指します。麻酔で「痛みの悪循環」を断ち切り、血行が改善されると麻酔が切れても、注射前と比べて患部の状態が改善されているため痛みを和らぎます。
【なる整骨院】での治療と評価
いつもながら評価がやはり最重要です
- 姿勢の評価と施術
- 筋肉・関節の評価と施術
- トリガーポイントの評価と施術
- 交感神経の評価と施術
主にこの4点をしっかりと施術して改善が見られない際は、医療機関や整形外科での精密検査をおすすめします。当院でも尊敬する方々もまずは、この4つが重要かつ筋肉による原因が90%だと言っています。筋肉といってもただマッサージすれば良いという事ではありません。治療とマッサージでは、中身が全く違うので皆さんも勘違いしないでくださいね。
1.2 姿勢不良による筋肉・関節への影響
まずは、なんと言っても姿勢でしょう。筋肉と言っても腰を診るだけではありません。首に原因がある場合もあれば、お腹・太ももに原因があるかもしれません。慢性的な症状であれば、骨盤の歪みや頭蓋骨の歪みにより、呼吸がしっかり出来ていないかもしれません。呼吸を改善することは、慢性的な症状の方にはとても重要です。呼吸の改善なくして改善はしないかもしれないくらいです。かつて、野口英世先生も『すべての病は、酸素不足』と遠い昔から唱えています。酸素がしっかり吸えていなければ全身に血液がしっかりと十分に行きわたらないと思って下さい。当院では、身体のバランスをしっかりとチェックし筋肉と関節の不具合による影響を探していきます。治療方法は、姿勢の不良は、KYテクニック。関節による影響は、カイロプラクティック。また内臓・頭蓋骨調整・トリガーポイント治療が主になってきます。
【参考】姿勢を正す本当の理由
3 トリガーポイント(筋肉の評価)
トリガーポイントとは、圧に対する感度が局所的に高い、過刺激性のポイントで、身体の他の部位に症状(通常は疼痛)を引き起こします。トリガーポイントは、筋肉、筋膜、骨膜、靭帯、皮膚などの身体の軟部組織に存在することが多いと言われています。一般的には、潜在性と活動性のトリガーポイントに分類され、潜在性は、圧迫されない限り局所的な痛みや関連痛を引き起こさないのに対し、活動性トリガーポイントは圧迫されなくても局所的な痛みや関連痛を引き起こします。どこも痛くなくても潜在性トリガーポイントがある場合が殆どですので活動性に変わらない様に日常的に身体のケアをしていく事をお勧めします。
ヘルニア症状の場合、腰方形筋・大腰筋・中殿筋・小殿筋などのトリガーポイントの評価は欠かせません。
4 交感神経の評価と施術
長く患てっいる、痛みや痺れに悩まされている事によってもストレスとなり自律神経が乱れてしまいます。自律神経の調整をするだけでも身体の反応は変化してきます。
主にこの4点をしっかりと施術して改善が全く1%も見られない際は、医療機関や整形外科での精密検査をおすすめします。当院でも尊敬する方々もまずは、この4つが重要かつ筋肉による原因が90%だと言っています。筋肉といってもただマッサージすれば良いという事ではありません。治療とマッサージでは、中身が全く違うので皆さんも勘違いしないでくださいね。
神奈川県横浜市西区浅間町2-101-4
患者さんのひとりごと
※あくまで個人の感想であり、皆様に同じ効果が出るという事ではございません。
医療機関と整骨院での治療の違い
上記でも説明しましたが、医療機関では投薬療法、リハビリ、最終的には観血的療法(手術)が主な治療となります。医療機関は、骨や腫瘍などに関するスペシャリストです。画像を撮影して精査が必要な症状については、必ず病院を受診することをお勧めします。
整骨院は、筋肉・靭帯など軟部組織へのアプローチに特化しています。骨に問題がないと言われた症状でお困りの際などは、整骨院での治療が良いかもしれません。また、今回の様にヘルニアと診断されても骨に問題がない場合も多くありますので、1度は相談してみる事をおすすめします。
腰痛Q&A
腰痛になってしまった際、『どう対処してよいのか分からなかった』という経験はありませんか?日頃、患者様から聞かれることが多い腰痛に関連する質問をピックアップし、それに対する回答をまとめました。腰痛に対する当院の基本的な考えにもなりますのでご参考になれば幸いです。
Q.安静にしていた方が良いのか?
A. 極端な安静は控え、可能な範囲で動いて下さい。
ぎっくり腰などの急性腰痛などの場合、「なるべく安静にしていて下さい。」と言われるイメージがあるかと思います。しかし極度の安静はかえって症状が悪化してしまったり、治りが遅くなってしまう可能性があるのです。これは痛痛診療ガイドライン2012(日本整形外科学会)にも記載されている事項であり、むしろ可能な範囲で動いた方が良いとされています。ただし急な動きや過度な負荷を掛けることは避けるべきでしょう。具体的には15~30分程度の散歩をしたり、無理のない範囲で左右交互にもも上げをしてみて下さい。ただしなるべく痛みの出ない範囲で無理せずに行うよう注意して下さい。
Q.冷やす?温める?
A. 急性期は冷やして慢性期はなるべく温めましょう。
特にスポーツをされている方はご存知かもしれんせんが、どこか痛めてしまったりケガをしてしまった際にはアイシングを用いることが多いです。アイシングは患部を冷やすことで、痛みの緩和・血管の収縮・細胞の活動低下によって、炎症反応(発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害)や患部以外への二次的被害を抑える目的があります。一方それに対し患部を温めると、血管が拡張することで血流が良くなり、組織の修復・改善を促進する役割を持ちます。
しかしそれぞれをケガの状態に合わせて用いないと、かえって状態を悪化させてしまったり、回復を遅らせてしまう場合があるので注意が必要です。
まずアイシングの正しいタイミングとしては、受傷直後の急性期(24~48時間)で炎症反応がみられる場合に行います。患部を感覚がなくなる程度(10分程)を目安に冷やします。急性期以降で炎症が落ち着いている様であれば、今度は積極的に温めて血流の促進を図りましょう。間違っても急性期に温めてしまったり、慢性症状に対してアイシングを行うことは避けて下さい。
Q.マッサージやストレッチは行うべきか?
A. 患部には強めの刺激を入れず、ストレッチは痛みのない範囲で行いましょう。
まずはマッサージとストレッチ、それぞれの効果について説明していきましょう。
メリット・効果 デメリット・難点 マッサージ
- 筋肉の緊張が和らぐ
- 血流を促進させる
- 老廃物が流れる
- 損傷部にダメージを与えてしまう
- 炎症を悪化させてしまう
- 痛い場所が原因とは限らない
ストレッチ
- 身体の可動域が上がる
- 筋肉の柔軟性が上がる
- リラックス効果が得られる
- 急に伸ばすと逆に緊張してしまう
- ストレッチの姿勢が困難なこともある
腰痛にも様々な種類がありますが、ぎっくり腰などの急性腰痛の場合、患部に炎症が起こっているケースが多いです。その為痛めてからすぐに患部をぎゅうぎゅうとマッサージしてしまうと炎症を悪化させてしまったり、損傷している組織を傷つけてしまうことがあるのです。
またストレッチに関しては基本的には痛みのない範囲でゆっくりと行いましょう。痛みを堪えて無理にストレッチの姿勢をとったり、勢いよく伸ばしてしまう(伸張反射)とさらに筋肉が緊張してしまう可能性があります。
Q.湿布は貼ったほうが良いのか?
A. 副作用なども理解したうえで貼ったほうが楽であれば貼って下さい。
ご存知の通り湿布とは痛みのある部分に貼ることで、痛みや炎症を押さえる効果がある医薬品です。病院で処方されることも多く、薬局やドラッグストアでも購入出来る為使ったことがある方も多いのではないでしょうか?しかしその反面、あまりどんな効果がありそんな成分が含まれているのか知らないという方も多いのが現状です。まずは湿布に含まれ成分をご紹介します。
➊ サリチル酸メチル
湿布にもいくつか種類がありますが、そのほとんどに含まれているのがサリチル酸メチルです。元々は植物由来の物質で自然界にも存在しています。古くから薬草など消炎効果があるとされていました。
❷ 非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)
非ステロイド剤(NSAIDs)は高い鎮痛効果と消炎効果が期待されます。よく市販の湿布のパッケージに記載しているインドメタシン・ロキソプロフェン・イブプロフェンなどといったものがこれに該当します。それそれの湿布によって含有量が異なる為、含有量が多い方がより強い効果が期待できますが、その分肌のかぶれや副作用なども強くなるので注意が必要です。
❸ カプサイシン(温湿布の場合)
カプサイシンは主に温湿布に含まれており、主にトウガラシに含まれている成分です。カプサイシンよって皮膚に刺激が入ることで血流を良くすることが目的となります。温湿布特有のジンジン・ヒリヒリする感じはカプサイシンによる影響です。
湿布を使用する際に一番気を付けなければいけないのが副作用です。湿布も医薬品に該当するため必ず副作用があるのはご存知でしょうか?皮膚のかぶれが一般的かと思いますが、湿布の種類によっては光線過敏症という皮膚の炎症や色素沈着を伴う症状を引き起こすケースもあります。また飲み薬の痛み止めに比べるリスクは低いものの、成分的には胃や消化器系に影響が出ることも考えられるます。
まずはしっかりとパッケージの裏に記載してある副作用などをしっかりと確認して、貼る時間や環境に注意しながら使用してもらうことが重要かと思います。湿布自体は決して悪いものではなく使い方が肝心だということです。貼って痛みや症状が楽になるようであれば使用するべきでしょう。ただ貼っててもあまり変わらないようであれば無理に貼っておく必要もないかもしれませんね。
Q.整形外科と整骨院(接骨院)どちらに行くべき?
A. 正直なところ正解はありません。
しっかりとその院の特徴や情報を調べてから行くことをお勧めします。
これも良く聞かれる質問であり、上記の通り正解はありません。そもそも整形外科と整骨院(接骨院)は別物であり、そのシステムや特徴もそれぞれ異なります。まずは整形外科・整骨院(接骨院)・整体院の違いをしっかりと把握しましょう。そのうえで各院ごとの特徴や先生方のキャリア、そして患者様の口コミを確認し、ご自身にあった院を探してみて下さい。
整形外科
- 医師免許を所持している医師が常駐している
- 画像診断(レントゲン)によって骨折や重大な疾患(腫瘍など)がないか鑑別できる
- 基本的には投薬療法でリハビリ科を併設している場合は物理療法も可能
- 健康保険が使用できる
整骨院(接骨院)
- 整骨院と接骨院に大きな違いはない
- 国家資格である柔道整復師を所持している
- 医師とは違い診断やレントゲン撮影をすることはできない
- 徒手検査を元に施術を行う
- 2~3週以内の受傷原因のある骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷は健康保険が使用できる
整体院
- 健康保険が使用できない症状の施術を行う
- 国家資格は特に必要ない
- 健康保険は使用できない
- 各院ごとに知識・技術の差が激しい
Q.注射はした方が良いのか?
A. 症状によって異なりますが、繰り返しの注射はお勧めしません。
ブロック注射とは
「整形外科や病院でブロック注射を打ってもらった」と耳にする事があると思います。そんなブロック注射の事、みなさんはどれ位理解されていますか?一般的には痛みを感じている神経や軟部組織に麻酔剤や抗炎症剤(ステロイド)を注射し痛みを和らげる作用があるといわれています。「痛みを一時的に止めるための注射」と思っている方も多いと思います。
しかしブロック注射に一番期待する本当の効果は、「血流の改善によって細胞の修復を促す事」と言われています。ブロック注射により交感神経を抑制→血管拡張→血流増加→細胞の修復促進→痛みの軽減につながります。
これらの作用に基づいて「痛みの悪循環を遮断する」ことを期待します。
患者様の中にも当院にお越しいただく前に「病院で注射をしてもらった」という方がいらっしゃることがあります。しかし注射で症状が改善・緩和しないケースも多くあり、その結果として当院も含めた整骨院(接骨院)や整体に行かれるのではないでしょうか?腰痛の際に打つ注射としてはブロック注射が用いられることがほとんどですが、ブロック注射の中にもいくつか種類があります。
ブロック注射の種類
- トリガーポイント注射
- 硬膜外ブロック
- 神経根ブロック
- 星状神経節ブロック
ブロック注射には上記のメリットもありますが、感染症のリスクや打つ場所によっては激しい痛みを伴うことも考えられます。また繰り返し注射をしたり、その場では良くなってもまた痛みが戻ってしまう場合はそれ以上注射をするべきではありません。
先程も申し上げましたがブロック注射は打つ方の技量で変わってきます。理想としては経験値の高い先生に安全かつ慎重に打っていただけると良いですね。
Q.ヘルニアは治るのでしょうか?
A. 手技療法ではヘルニアを取り除くことは出来ません。
まずはその症状が本当にヘルニアによる症状なのか見極める事が重要です。
A:ヘルニア自体は、半年ほどの月日を掛けて、神経細胞が食べてくれる(吸収)といわれています。したがって、何年前・何十年前にヘルニアと診断されて、『私はヘルニア持ちだ』という方が多いですが、おそらく現在は、ヘルニア自体は、MRI画像には映らないかもしれません。もしヘルニアが存在する場合は、新たに出来た可能性があります。その辺りも担当の先生に伺ってみるのも良いでしょう。
また、我々、手技療法ではヘルニア自体を取り除くことはもちろん出来ません。治療によって改善される方のほとんどが、ヘルニアがあっても他に原因があるから改善しているという事になります。
Q.お尻から足にかけてのラインに痛みがあると腰が原因なのでしょうか?
A. 必ずしも原因が腰にあるわけではありません。
A:お尻が痛い、太ももが痛い、膝が痛い、ふくらはぎが痛いなど腰より下の部位に痛みや痺れがあると『腰が原因ですね』『ヘルニアですね』と言われることが多いようですが、原因は腰にある事は少ないかもしれません。
そのような症状の方に限って、腰が痛くない方が多いのも頷けます。
そしてヘルニアの有無は、MRIを撮影する事で初めてわかります。レントゲンには映る事はありません。MRIを撮影せずにヘルニアと言われた場合は、一喜一憂しない様にする事が賢明です。
【参考】ヘルニアと診断された坐骨神経痛
Q:腹筋と背筋を鍛えれば改善するの?
A. すべての腰痛に有効なわけではありません。
腹筋や背筋のトレーニングもそうですが、TVや雑誌などに掲載されている腰痛治療法が必ずしもすべての症状当てはまるわけではありません。万人に聞く薬はないのと同じで、万人に効果のある腰痛治療法もないと考えます。試してみるのは良いかもしれませんが、痛みが強くなってしまったり負荷が強い場合はすぐに中止した方が良いでしょう。
また、腹筋・背筋のトレーニングを勧める理由としては、腰椎には肋骨が付着しておらず腰の筋肉により負担が掛かってしまう人間の解剖学的特性があるためです。これは首の頸椎においても同様のことが言えます。『肋骨がない分、筋肉が頑張りすぎてしまう』その為に鍛えた方が良いのは間違いではないでしょう。『なる鍼灸整骨院』では、腹筋は鍛えても良いけど必ず終わったら伸ばしてください、と説明しております。現代の方のお腹は、『長時間の座位・猫背』が原因で縮んでいます。縮んでしまっているお腹をより鍛えるだけでは、反り腰を助長しより腰痛が強くなるかもしれないと考えています。何か新しいセルフケアや予防を始める際は、お身体のチェックを含めて我々にご相談下さい。
※当院HPより
ストレッチや筋トレはOK?
※ヘルニアと診断されて、ストレッチや筋トレは、むやみにやらない事をお勧めします。TVやネットを鵜呑みにして行うと悪化してしまう事があります。ストレッチも筋トレもどのタイミングで行うかが重要です。当院では、まずこちらがお願いした事だけを行っていただくように指導させていただいています。
予防と対策
上記で説明した項目1~5を参考にして頂けると良いかと考えます
1.背骨(胸椎・腰椎)の動きが少ない方・前後の動きが乏しい方
脊椎の前後の動きがしっかりある方がヘルニアになり辛いと考えますので、両肘を曲げ肘を後ろに引く体操がとても簡単です。肩甲骨を寄せ合うような動きです。この体操をすることで肩甲骨にも動きが付き、背骨も前後に動きますのでヘルニアだけでなく背骨が動く事は神経にも良い働きをしますので、良い事ばかりと考えてください。
また、バスタオルをくるくると丸くたたみ背骨の中央よりややしたに横向きに挟んで、両手をバンザイします。この状態で30秒から1分置いておくだけ。これも簡単かつとても良い体操です。
そして注意が必要なのは、下の写真の様に足を延ばして腰を丸く曲げるようなストレッチは、急に無理に行うとヘルニアが後方に急に脱出することがあるので注意をしてください。
2.筋肉・関節の動きが悪い方
1番とも関連しますが、筋肉に対してはやはりマッサージ・ストレッチを継続的に続けて行う事が重要です。この継続的に行う、これが一番簡単で難しい事なのかもしれませんが、継続すれば必ず変化が出てきます。
3.座っていることが多い方・同じ姿勢を続けている方
これもヘルニアだけに言える事ではありません。1日10時間以上デスクワークをしているとタバコを吸うよりも身体に悪いと言われています。面倒でも1時間に一回は、『歩いてみる、身体を動かす』事をこれも継続的に続けてみてください。
4.激しい肉体労働をされている方
毎日、肉体労働をしている方がそれを辞める事は出来ないと思います。ですが、身体のケアは出来ると思います。我々のような治療院で定期的にケアを受ける。毎日自分で、ストレッチや入浴(10分以上)を継続的にすることはできると思います。肉体労働者にありがちなのは、痛くならないと身体のケアをしない。もしくは痛くなくなるとやめてしまいがちです。働けなくなっては元もこうもありません。ご自身の身体に投資をしてあげてください。
5.栄養状態があまりよくない(お酒・たばこ・暴飲暴食)方
我々の身体は、60兆個の細胞からできています。この細胞を作っているのは、お水・酸素・栄養素しかありません。やはりこれもどんな病気にも言える事ですが、バランスの良い食事を摂る。これが一番の病気や身体のトラブルの予防です。今一度、生活習慣を改めて食生活からライフスタイルを見直すとこの先5年.10年後の身体が変わってくるはずです。
WE ARE WHAT WE EAT=我々の身体は、食べ物で出来ている。アメリカの有名なことわざです。今食べているものは、5年.10年後の身体を創っているとも言われています。
想像してみてください、バランスの良い食事をした10年後と今の食事の10年後を!毎日10分でも身体のケアをしている10年後と何もしない10年後を!
まとめ
腰痛や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症と診断されお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。もし、いまあなたのお悩みの症状の原因が本当に椎間板ヘルニアだったとすると手術をする以外は、その飛出たヘルニアをどうすることも出来ないでしょう。(※半年ほどで神経細胞がそのヘルニアを食べてくれる(吸収)くれるとも言われていますが)
しかし、その痛みの原因が私のようにヘルニアではない場合は、改善の余地が大いにあります。あまりに痛みが強い際は、上記のブロック注射や加圧注射を受けるのも良いと考えますが、それでも改善しない場合、絶対に手術をしたくないと決意のある方は、手技療法を検討されてみてください。
きっと何かしらのお役に立てると思いますので、横浜駅徒歩12分の【なる整骨院】へご相談下さい。
【参考】坐骨神経痛とは? / ヘルニアは必ず手術が必要か!?